近畿のマンション、12月はファミリー物件が快進撃

近畿圏マンション市場2020年12月度は、発売戸数が2,215戸(前月比70%増)、契約率78.8%、初月契約戸数1,745戸と絶好調というべき結果でした(ワンルーム・狭小型除く)。

発売戸数こそ、住友不動産の超大型物件の売出しがあった前年同月比3.9%減となったものの、比較的契約率の良かった3月や6月9月に比べても、発売戸数が倍近くある12月は圧倒的な内容です。

例年12月は大量供給で盛り上がる月ですが、やはり2020年の実績は上出来です。

直近3年

この12月の好結果は、外周部ファミリー物件(と都市型コンパクト)の好調さによるものとされています(不動産経済研究所)。

コロナ感染第3波が拡大するなかでのファミリー向け物件快進撃は、コロナ後の住まいのあり方を暗示しているようです。今までの極端な都心、駅近、タワーマンション志向から、自然やゆとりを感じる周縁部に住まいを求めたいというニーズの高まりを感じます。

発売戸数契約率

12月の各価格帯別発売数と契約率です(ワンルーム含む全物件)。前年同月と比べて総ての価格帯で高い契約率となっていて、4月5月で先延ばしされた需要が12月に爆発した感じ。

価格帯別

発売戸数が増え契約率も高いので、当然発売月に契約する戸数も増えました。結局、2020年を通してワンルームやコンパクト型は大きく契約戸数を減らしたものの、ファミリー系は前年比3.5%程度の減に止まっています。

契約戸数

◆首都圏もやや立ち直り傾向

11月は失速した首都圏マンション(実需)も回復の兆しがでてきています。

首都圏近畿圏

ただ、コロナ「第3波」の猛威による非常事態宣言は重く、またブレーキがかかるかもしれません。

近畿圏12月の指標。
またまたワンルーム、都市型コンパクト物件大量供給(900戸近く)があったので、平均1戸当たり価格や1㎡当り単価はダウンです。

・発売戸数3,105戸(前年同月比3.9%減)
・契約率    80.0%(前年同月比9.0ポイントアップ)
・1戸当り価格  3,913万円(前年同月比8.0%ダウン)
・1㎡当り単価  66.5万円(前年同月比6.1%ダウン)

京都市や京都府下で12月も532戸の発売がありました。ワンルームも多かったですが、何と2LDK以上の物件はほぼ即完(313/301)という驚異的な売れ行きとなっています。






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住宅着工戸数11月、減少幅も小さく回復基調へ

国土交通省から発表された2020年11月度新設住宅着工戸数は、前年比3.7%減の70,798戸と前年同月比17か月連続の減少となりました。しかし、減少が続くものの繰り延べられた需要を取り込むことで減少幅は徐々に小さくなってきています。

消費税増税反動減やコロナ禍で大きく失速した2020年新設住宅着工戸数も、ようやく回復基調が強まってきて、特に貸家の減少が続くなか、実需の持家や分譲住宅が上向いてきたのは好材料といえるでしょう。

前年比推移

ただ、新型コロナ第3波感染拡大が続いた12月の結果次第ではあるものの、消費税増税で低調に終わった2019年に比べて2020年は更に少ない戸数となるのは確実で、やはり厳しい結果です。

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また、季節調整済年率換算値は前月比2.3%増の82万戸と4ヶ月ぶりに増となりました。リーマンショックによる2009年の落ち込み以来の80万戸割れとなるかどうか微妙な状況になっています。

戸数年間

首都圏の着工戸数は軟調、近畿圏はしっかり

地域別の着工戸数では近畿圏が堅調、首都圏が弱い動きと明暗が分かれました。

首都圏近畿圏

コロナ禍で人の移動の制約もあり、東京圏人口は転出超過が続くという状況なので、市場規模の大きい首都圏も当面住宅着工件数V字回復というようなことは期待できないでしょう。

前月▲8.5%(前年同月比)だった中部圏は、11月も▲14.7%と大きく落ち込み厳しい状況が続いています。

◆近畿は7.9%増(前月比9.4%増)分譲マンションが大幅増

首都圏や中部圏の苦戦が続くなか、前月に続き近畿圏は分譲住宅特に分譲マンションの大幅増があり順調でした。持家が(4月以降)右肩上がりを維持しているのも目立ちます。

持家貸家

首都圏1都3県に2度目の緊急事態宣言が発令されることが決まりました。今回の緊急事態宣言は最も感染リスクの高い「飲食の場」が対策の重点となっており、前回とは少し様相が違います。

しかし、例年1月半ばから2月にかけてが不動産の最需要期なので、不動産購入マインドの冷え込みが懸念されます。また、外出自粛などが広がれば、オンライン営業で代替は容易ではなく、不動産業界の業績への影響は大きいでしょう。






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激減したワンルームマンションの発売(関西)

関西の新築ワンルームマンション分譲市場で大きな変化が起きています。高い契約率を背景に増え続けてきた、投資用ワンルームマンション(及び1DK、以下同じ)発売数がコロナ禍で激減に転じているのです。

関西の新築ワンルームマンションは主に大阪市(全体の約8割を占める。北区と中央区が中心)と神戸市、京都市で供給され、広く首都圏などからも投資家を集め活況が続いていました。

これら投資家向け分譲ワンルームマンションの発売数が、今年1~11月の累計でほぼ半減の前年比48.4%減という事態となっています。近畿のマンション発売戸数全体は前年比約20%の減少で踏みとどまっているにもかかわらず、投資用のこの状況はまさに新型コロナに直撃された格好です。

発売戸数テキスト

近畿のワンルームマンション発売戸数前年比較です。今年1月の発売数急落は、ワンルーム最大手プレサンスコーポレーション社で前年末にあった業務上横領疑惑事件による社内混乱の影響ではないかと思っています。

(過去記事:明浄学院巨額横領事件、プレサンス前社長ら起訴

戸数前年比グラフ

投資用の大半を発売する大阪市での発売戸数推移。上のグラフとほぼ同じ動きですが、新型コロナの猛威により12月以降も厳しい結果になりそうです。

大阪市のグラフ

◆コロナ禍でワンルームマンション投資は今後どうなる

大阪の北区や中央区は、単身世帯の転入増加による需要増を背景にワンルームマンション投資が活発でしたが、コロナ禍では様相が相当変わる可能性があります。

梅田に近いワンルームマンションでは、飲食業や小売り関連の人の入居割合が高いのですが、「大阪市内で飲食店約3500店がコロナ禍で廃業」というように、今回の新型コロナはワンルームマンション需要を支えていた層に大きな影響を与えていると思います。

まだ入居率が大きく下落するという局面ではないかも知れませんが、今までのような賃貸需要の増加は期待しにくいでしょう。

2008年のリーマンショックでは主に金融機関や大企業が甚大な損失を被りましたが、コロナショックは中小零細の飲食や小売り関係に大きなダメージを与えています。賃貸業にはリーマンショック時以上の影響が出るはずです。

株式市場が異常に高騰するなか、J-REITでも住居系REITが低迷しており不動産投資には今までの常識を疑ってみる慎重さが必要な局面だと思います。






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