マンション市場10月、発売数契約数とも倍増(近畿圏・実需)

近畿圏マンション市場10月度は、前年同月比発売戸数11.3%増となったものの、契約率が15.8ポイント大幅ダウンの58%と厳しい結果に終わりました(不動産経済研究所)。

ただ、実際には(仮需の投資用を除外すると)発売戸数(1,317戸:119.1%増)と初月契約戸数(771戸:115.3%増)が共に前年比倍増と大きく実績を伸ばしているのです。

前年10月が消費税増税で実需が大ブレーキ、投資用ワンルームのみ異常な活況だったのに比べ、この10月は投資用が全滅と様相が一変しました。しかし、4月5月の繰り延べ(購入延期)需要(実需)をしっかり取り込み、いい流れを維持していると感じます。

戸数契約率グラフ

直近の業況の変化、動向を把握できる土地綜合研究所の「不動産業業況等調査」結果でも、10月はモデルルーム来場者、成約件数の指数がプラス圏に浮上しており、マンション分譲業はV字回復の様相です。

業況調査指数グラフ

発売月に契約できた戸数も、右肩上がりのペースを維持しています。

契約件数

◆大阪市内のタワーマンション契約率急落

不動産経済研究所のコメントでは、「大阪市部タワーマンションの契約率が急激に低下」とありましたが、確かに6,000万円台と7,000万円台の契約率は、かつてないほどの低下となっています。6~7千万円台のタワーマンション購入マインド悪化は、コロナ禍の影響でしょうか。

価格帯別

その一方で大阪府下のファミリー向け3LDKタイプの物件は、比較的手ごろな価格のためよく売れています。

◆首都圏も上昇基調へ

首都圏マンション市場も底堅い需要があり、上昇基調が続いており一時の低迷からは完全に脱却しています。あとは近畿圏含め、コロナ「第3波」による感染拡大が懸念材料です。

首都圏近畿圏実需

近畿圏10月の指標。
前年同月に激増したワンルーム、都市型コンパクト物件が、一転今年10月ほぼゼロになり、平均価格は大幅アップ、契約率は低下しています。

・発売戸数   1,415戸(前年同月比11.3%増)
・契約率    58.0%(前年同月比15.8ポイントダウン)
・1戸当り価格  4,901万円(前年同月比41.0%アップ)
・1㎡当り単価  73.1万円(前年同月比1.7%アップ)

近畿のマンション市場は(投資用は別として)低価格帯が堅調、高額帯の5~7千万円台が急減速と2極化しました。

その背景には、コロナ禍によりマンション営業のスタイルに変化があったことも影響しているかもしれません。自分で判断しやすい低価格帯はともかく、リモート営業で高額な価格帯マンション(迷いやすい)の購入を決断させるのは簡単ではないと思います。






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住宅着工戸数15か月連続の減、近畿は4.5%減

国土交通省から発表された9月度の新設住宅着工戸数は、市場予想の前年比8.6%減よりも下振れした9.9%減70,186戸での着地でした(予想は中央値。日経新聞)。

前年比グラフ

新設住宅市場は消費税増税の駆け込み需要反動減が一巡しかけたところに新型コロナショック直撃をうけ、昨年4月以降ほぼ毎月前年比減少が続き、特に今年4~7月は2ケタ台の大幅減となっています。

ただし、ここ2ヶ月は何とか減少幅1ケタ台に踏みとどまり、4月の12.9%減を底として少し回復の兆しが見えてきたというところです。

区切

2020年の着工戸数はさほど好調ではなかった2019年と比べても低調で、残る10月~12月期で繰り延べられた4,5月分の需要を顕在化させられるかどうかになってきました。

ただタイムラグがあるものの住宅各社の受注は好調で、住宅ローン減税の延長なども効いてくるので、持家と分譲住宅の着工は今後上向くでしょう。

前年比

季節調整済年率換算値では、81.5万戸(前月比▲1.6%)となっています。

住宅着工推移

◆近畿は11,318戸(前月比+16.5%)、貸家が少しプラスに

近畿圏の9月度の新設住宅着工戸数は、前年比▲4.5%で前月比では+16.5%となる11,318戸でした。消費税増税や融資厳格化などで長く低迷していた貸家が若干のプラスに浮上しましたが、持家がどこまで回復するかが問題です(近所では着工が増えてきたような感じ)。

9月度の首都圏と近畿圏の結果です。

近畿首都テキスト

近畿圏の利用関係別の戸数変化率推移で、図の左半分が消費税の反動減、右半分をコロナショックの影響によるものとして捉えると、貸家着工の減少は消費税増税の影響が大きく、持家着工はコロナ禍に大きなダメージを受けています。

利用関係別

仕入れた用地を計画に沿って着工している?と思われる分譲住宅は月毎の変動が大きいですが、コロナ後は市場動向を見極めるためか着工に慎重になっている様子です。

所得環境や雇用状況が悪化するなか、住宅業界も当面withコロナの時代が続くので住宅着工件数の回復は、全体としては緩慢なものにならざるを得ないでしょう。






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マンション市場、高価格帯不振も実需の3LDK好調(近畿9月)

近畿圏マンション市場9月度が発表されました(不動産経済研究所)。
過去最低の発売戸数(1,288戸)との記事もあったものの、実際は投資用ワンルーム・都市型コンパクトが激減しただけで、実需(2~4LDKタイプ)は前年比発売数47.7%増、前月比27.8%増の1,118戸、契約率69.5%と秋商戦のスタート月に相応しい好結果となっています。

新型コロナ禍の混乱から、関西の新築マンション市場は順調に立ち直ってきていると言えるでしょう。ただコロナ前とはやや形を変えた(実需主導の)市場になっていくと思われます。

ファミリー型推移グラフ

新規発売物件で発売月に契約出来た戸数(ワンルーム系除く)も5月の落ち込みをまだカバーしきれていないものの、右肩上がりになってきています。今後は4月5月において購入延期された繰り延べ需要にも期待できると思われます。

初月契約戸数

9月の発売・販売状況を価格帯別に見ると、投資用物件の発売数激減と8,000万円超の高価格帯物件の契約不振が目立つ一方、ボリュームゾーンの3,000万円~4,000万円台のファミリー向け3LDKタイプが郊外部物件中心に好調でした。

特に3LDKの販売が好調だったのは以下の府県の物件です。
    ・兵庫県下 契約率74.2%(155戸発売115戸契約)
    ・京都府下 契約率100% (86戸全戸契約)
    ・滋賀県  契約率100% (90戸全戸契約)

価格帯別

やはり新型コロナ禍は、郊外マンション購入の大きなきっかけとなっていると思います。

◆首都圏も上昇基調へ

首都圏マンション市場も上昇傾向が鮮明になってきたようです。こちらも郊外部の供給が増えていけば、契約率も上がりそうな気配です。

首都圏近畿圏

近畿圏9月の指標。1R、都市型コンパクトが減少したので、平均価格は大幅アップ(契約率は低下)しました。


・発売戸数   1,228戸(前年同月比12.7%減)
・契約率    69.2%(前年同月比6.5ポイントダウン)
・1戸当り価格  4,693万円(前年同月比36.1%アップ)
・1㎡当り単価  68.2万円(前年同月比1.2%ダウン)

近畿レインズによると中古マンション成約数も9月に前年比大幅増、10月もほぼ前年同月並み(▲2.2%)となっており、マンション市場は新築中古ともはっきりと回復基調となっています。






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