8月住宅着工戸数、近畿圏は貸家が牽引し大幅な伸び

国土交通省が発表した8月度の新設住宅着工戸数は、前年同月比7.5%増の7万4303戸と、予想(市場予想中央値は9.5%増)には届かなかったものの、6か月連続増加となりました。

コロナ禍前の2年前(2019年8月)比では2.3%減で、コロナ前水準まで今一息というところですが、8月としては悪くない結果です。

全国グラフ

また、全体の季節調整済み年率換算値は、85.5万戸(前月比7.7%減)となっています。

年別推移

8月で目立つのは地方圏の活況で、やや停滞した首都圏に比べ中部圏や近畿圏、その他地域が前年同月比大幅増となっています。

首都圏地方圏

コロナ禍の在宅勤務などで、住居にも仕事スペースの必要性に気がついたり、リモートワーク進展もあって地方に住居を求める動きも増えているのでしょう。今までとは違う住まい観が生まれてきています。

◆近畿圏は貸家の着工大幅増、今後は持家期待

近畿圏では貸家着工が大幅増加となりました。コロナ禍で一旦様子見していた、アパートなどの着工が一気に始まった感じで、コロナ関係なしの2年前比でも20%近く伸びていて勢いを感じます。

着工戸数テキスト

従来、旺盛な需要に基づく貸家着工件数が近畿圏の新設住宅着工件数全体を押し上げていましたが、今後はwithコロナ時代の「新しい生活様式」を見すえた持家需要が顕在化してくるはずです。
その場合、マンション(鉄筋コンクリート造)ほど建築費が高騰していない、木造住宅が注目されていくでしょう。特に建売住宅(分譲一戸建て)はコストが注文住宅より割安となるのでより伸びるのではないかと思います。

世界的なサプライチェーン混乱があったり、緊急事態宣言が解除されてもスッキリしない状況が続きますが、コロナ禍による住まいへの関心の強まりは住宅着工には追い風です。






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大阪・ミナミ「デカ戎橋ビル」が地価下落率全国一

2021年「地価調査」で、大阪・ミナミの「デカ戎橋ビル」(旧住友商事心斎橋ビル)の地価が1,900万円/㎡と前年比18.5%下落し、全国の商業地で最も大きい下落率となりました。

戎橋の袂にあるこの地点(中央区宗右衛門町7-2)は視認性抜群の立地で、地籍は502.19㎡(約151.9坪)です。

売買履歴

このビルは、コロナ前のインバウンド全盛期にキタを抜いて、大阪商業地最高価格地点となっていたところ、コロナによるインバウンド需要消失で一転大幅地価下落に見舞われている状況です。

そんなコロナ禍が続く今年4月、住友商事から200億円台前半と言われる強気な価格でビルを取得した、デカ銀行(ドイツ)系不動産ファンドも、地価下落が当面続くのは織り込み済みで、コロナ後期待の長期投資戦略による買収なのでしょう。

デカ地図

ビル名の表記が、本来あるべき「戎橋」に変わったのは良かったと思います。

「デカ戎橋ビル」は1年で▲18.5%下落でしたが、半年ごとで見ると約▲10%程度ずつ下落しています。
大阪ミナミの地価はインバウンド需要の急回復は見込めないなか、今後も10%前後の下落がダラダラと続き、うめきた2期再開発期待のキタとの格差はより大きくなっていくのでしょう。

デカ戎橋

大阪市はIR誘致を推進し2025年には万博も予定されています。
立体化し複雑なたキタの繁華街に比べ、外国人観光客にとってミナミは平面で横に広がっており移動しやすい街です。
インバウンドが回復しても、今までのドラッグストアだけでは需要は戻らないでしょう。街全体でミナミの魅力ブラッシュアップに本気で取り組む良い機会かもしれません。






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マンション市場8月は大失速(近畿圏)

近畿圏新築マンション市場の8月度は、破竹の勢いだった前月から一転大失速となりました。

コンパクト型除く発売戸数は695戸(前月比55%減、前年同月比20.6%減)で契約率57.6%(前月比13.2ポイントダウン)と、年初来好調続きだったのが嘘のように低調な結果に終わっています(不動産経済研究所)。

8月の前月比発売戸数と契約率大幅落ち込みは、前年5月コロナショックによる急落時並の大きさです。

発売戸数と初月契約率

一方、首都圏は近畿圏と対照的に絶好調継続中で、全体としては新築マンション市場の好地合いに変化は無いという状況です。

首都圏近畿圏

近畿圏の価格帯別の状況。比較的安定して売れていた高価格帯物件の動きが悪く、7000万円台以上の価格帯の契約率は総て50%を割り込む低迷ぶり。

価格帯別

◆8月は大阪市内物件が深刻な販売不振

近畿圏の契約率落ち込みは、大阪市部供給物件が過去類をみないほどの販売不振に陥ったからです。
大阪市内でもウメキタ2期や堂島など価格関係なく売れる特別な立地の物件以外は、やはり価格が高騰しすぎると需要が追いついてこないということでしょうか。

大阪市内物件の8月における(コンパクト型除く)発売戸数と契約率推移。初月契約率が40%前半というのは、やはり異常値です。

大阪市部

近畿圏8月の指標(ワンルーム等コンパクト型ふくむ)。

・発売戸数1,050戸(前年同月比35.1%減)
・契約率    65.0%(前年同月比13.2ポイントダウン)
・1戸当り価格  4,413万円(前年同月比26.4%アップ)
・1㎡当り単価  78.7万円(前年同月比13.4%アップ)

マンション価格が上がっていますが、マンションデベロッパーは当面強気なのでしょう。






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