近畿のマンション11月は好調、京都で投資用が活況

近畿圏マンション市場11月度は実需向けが好調(発売数1,299戸、契約率70.4%)でした。初月の契約戸数は915戸で、前月比約19%増、前年同月比では倍増と上出来となっています(以上ワンルーム・狭小型除く)。

発売と契約率

ただ、例年は発売数が多く盛り上がる12月は、コロナ第3波で自粛ムードが高まっていること、昨年の住友不動産「シティタワー大阪本町」のような超大型目玉物件もないことで、前年並みの大量の発売・契約は望めない状況です。

近畿圏11月度価格帯別の発売戸数と初月契約率状況。タワーマンションの売れ行きが鈍化するなか、需要の層が厚い4000万円台の物件供給が一気に増えました。このあたりの契約率が上向いて70%前後になっていくと市場がより活気づくでしょう。

消費税増税後の反動で苦戦した前年同月に比較して、今年11月のグラフは通常最も多いパターンになっています。

発売月に実際に契約できた戸数。6月以降概ね順調なペースで推移しており、今後はコロナ次第?という状況です。

価格帯別

◆首都圏は上昇トレンドが崩れ失速

近畿とは違い、コロナ禍でも堅調だった首都圏マンション(実需)が、11月は失速してしまいました。

首都圏近畿圏

東京都でのコロナ「第3波」の猛威もあり、首都圏新築マンション市場は繁忙期となる12月から新春にかけてブレーキがかかるかもしれません。

近畿圏11月の指標。
ワンルーム、都市型コンパクト物件の比率が下がったので、10月に続き11月も平均戸当たり価格の大幅アップが続きます。

・発売戸数   1,610戸(前年同月比7.9%増)
・契約率    69.3%(前年同月比9.2ポイントアップ)
・1戸当り価格  4,449万円(前年同月比26.0%アップ)
・1㎡当り単価  69.6万円(前年同月比10.8%アップ)

近畿圏では、投資・賃貸用のワンルーム・狭小型が、11月も大阪市などで発売戸数が絞られました。代わって京都市内が、発売戸数を増やす(販売絶好調)という状況になっています。

どうやら京都では、インバウンドによるバブル下に争奪戦を演じて取得したホテル用地が、マンション用地に転用されているような気配です。都市型コンパクトタイプに止まらず、実需向けタイプも今後供給増傾向になるように感じます。

例年、新春1月から3月は不動産販売の最需要期ながら、新型コロナの影響でマンション営業はまた大きく制約を受けそうです。特に新築は影響大となる可能性がある反面、小学校校区内など狭域で成約に持ち込める中古マンション販売は活況になるような気がします(マンション人気は根強い)。






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南大阪のららぽーと美原やセブンパーク(仮)の開業は?

新型コロナ感染第3波の勢いが止まりません。すべての事業計画がコロナ次第となってしまい、大型商業施設の着工延期や開業延期が続くという状況になっています。

南大阪では競合環境の厳しいこともあり、当初11月開業予定だった松原市天美の「アリオ松原」が開業を来年に延期する(建物はほぼ完成)という決断が下されたようです。

「アリオ」は、セブン&アイホールディングス傘下のデベロッパー、セブン&アイ・クリエイトリンクが手掛ける大型商業施設ですが関西では知名度が殆どありません。

今回施設名に「セブンパーク」を付加するテコ入れもするようですが、食品スーパーを核テナントとする周辺住宅地向けと違いエンタメ性も追求する大型商業施設(のはず)なので、このコロナ禍では開業延期はやむを得ないでしょう。

それでも大和川以南は、阪急百貨店の「堺北花田阪急」が撤退するなど、大型ショッピングセンター激戦区です。セブンパークアリオ松原(?)は、至近距離にその「イオンモール堺北花田」があり、5.5km南方では「ららぽーと美原」が2022年に開業を予定しているなど難しい立地です。
開業した後も厳しい運営が強いられることになりそうです。

立地

アリオとららぽーとの計画概要。どちらの施設もロードサイドの立地上来場者の90%程度の車利用を想定しているので、かなりの駐車場収容台数です。

計画概要

なお、ららぽーと美原の開業予定は2022年で今の所は変わりありません。三井不動産の直近IR資料では、「ららぽーと」の来場客数は通常の8~90%位まで回復(9月時点)しています。2022年でも新型コロナが完全に終息とはならないでしょうが、今のところ開業時期の予定変更はないのではと思われます。

堺市に隣接する和泉市では、既に「ららぽーと和泉」が営業しています。

広域図

(過去記事:三井不動産が「ららぽーと美原(仮称)」を下期着工へ

◆南大阪は東西への移動がむつかしいという地域特性

南大阪特にららぽーと美原が出来る堺や和泉泉州地域は、鉄道が大阪方面の南北方向にのみ走っているので、東西間の(横)移動が極めてむつかしい地域です。隣接の市に行くにも電車なら大回りしなければ行けません。

堺市を通るJR、南海、泉北高速、大阪メトロ総て縦方向です。

堺市行政区

そういった鉄道事情で大阪南部は車社会となっています。地形が平坦なのに近畿の政令指定都市のなかで堺市の自動車保有台数比率が最も高くなっているのは、東西移動が難しいことによるものです、(データは少し古いH27年のもの)。

自動車保有

そのためアリオもららぽーとも高速道路傍に立地し、高速道を利用して南や北側及び東側(奈良や大阪東部)などから多くの集客を見込んでいるでしょう。ちなみにららぽーと美原の一次商圏は半径10km圏となっており、松原市のセブンパークと被っています。

テナント構成やキーテナントなどは分かりませんが、年間想定来場者数1,300万人という強者のららぽーと美原に対して、セブンパークがどんな強みを打ち出しどんな差別化戦略をとるのか注目です。

図はららぽーと美原予定地を中心とした10km圏、20km圏の同心円です。

当面withコロナの時代が続くであろうなか、コロナ禍であっても行ってみたいと思わせるような魅力ある商業施設に出来るかどうかデベロッパーの真価が問われるところでしょう。






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近畿の10月住宅着工戸数、持家がプラス圏に浮上

国土交通省から発表された10月度新設住宅着工戸数は、市場予想の前年比9/3%減よりは若干上振れしたものの、前年比8.3%減70,685戸と16か月連続の減少となりました。

消費費税増税とコロナ禍のダブルパンチにより大きく失速した着工件数は、4月を大底として徐々に回復しつつあるとはいえ、その動きは未だ鈍いものとなっています。

前年比推移

着工戸数の前年と今年の月次推移をみると、消費税増税の影響が大きく低調だった2019年と比べても、コロナ禍に見舞われた2020年は更に弱い結果が続きます。

着工戸数推移

また、季節調整済年率換算値は前月比1.6%減の80.2万戸と3ヶ月連続減少となりました。残る11,12月でのラストスパートも感染再拡大到来がはっきりした現状では望むべくもないでしょう。昨年からは約10万戸ほど減での着地になりそうです。

着工戸数

仮に2020年が80万戸を割り込むと、リーマンショックによる2009年の落ち込み以来の80万戸割れとなります。

◆近畿は11,061戸(前年同月比▲2.2%)、持家・貸家ともに前年比プラスに

首都圏や中部圏の苦戦が続くなか、近畿圏は比較的回復傾向がはっきりしてきているように見えます。もともと貸家が近畿の着工件数を牽引していましたが、現在は実需の持家が(4月以降)右肩上がりになっているのが好材料です。

グラフ

首都圏と近畿圏の10月度結果。近畿圏は首都圏に比べ、貸家をはじめとして比較的順調な戻りです。

首都圏近畿圏

ここにきてコロナ感染「第3波」襲来で、大阪は赤信号がともりました。関係する産業のすそ野の広い新築住宅着工件数が低迷するのは、経済全体に大きな痛手になりますが、ここは何とか耐えるしかありません。






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