近畿圏マンション市場2月、価格上昇しても好調継続

近畿圏2月度新築マンション市場は、発売戸数913戸(狭小型除く)初月契約率75.1%と販売価格高騰をものともせず前月に続き絶好調継続です。

高くなった価格でも需要は旺盛で高い契約率が続くため、マンションデベロッパーは供給数を絞り(前年同月比14.7%減)、時間をかけて売る方針のように見えます。
とにかく契約内容も低価格帯から高価格帯まで満遍なく売れるという、供給側に理想的な展開と言えるでしょう。

大阪府下、兵庫県下のファミリー型3,4LDKタイプが、先月同様好調で関西マンション市場を牽引

地域別販売戸数

価格帯別グラフにコロナ禍前2019年2月契約率も入れてみると、コロナ前と状況が大きく変わっていました。苦戦していた高価格帯物件販売がコロナを奇禍として(?)、安定した売れ行きに変わっているのです。

価格帯別

高額タワーマンションも以前のような首都圏投資家などの仮需的な買いは減っていると感じますが、物件次第とはいえ順調な販売状況です。

先月不振を極めた首都圏も2月は復調しています。

首都圏近畿圏

◆近畿圏2月の指標(ワンルーム等コンパクト型含む)です。1戸当り平均価格も1㎡当り単価もかなりの上昇です。

・発売戸数:1,378戸(前年同月比19.8%減)
・契約率:79.2%(前年同月比0.7ポイントアップ)
・1戸当り価格: 4,433万円(前年同月比12.1%アップ)
・1㎡当り単価: 79.1万円(前年同月比8.2%アップ)

◆関西中古マンションの状況

関西の中古マンション2月度成約件数は1,491件と1月の大幅増の反動か前年同月比3.4%減となっています(近畿レインズ以下同じ)。

成約㎡単価は(新築価格に連動して)関西各エリアの多くが上昇し、顕著な上昇トレンドです。

当面、マンション市場は新築中古とも好調に推移するようです。






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最高裁初判断か、路線価によらない相続課税訴訟上告審

路線価に基づかない相続税財産評価が適切かどうかが争われている訴訟に関し、最高裁第三小法廷が開く上告審弁論の期日が迫ってきました(3月15日)。最高裁で弁論が開かれるのはレアケースで、この場合高裁判決(国側勝訴)見直しがありえるとも言われており注目です。

そもそも相続税額は、指針とされる財産評価基本通達により計算を行い、土地は路線価をもとに評価されることとなっています。

土地毎に(目的に応じて)ある4つの価格(一物四価)の1つである路線価は、公示価格の90%、実勢価格の70~80%程(都市部ほど実勢価格との開差大)となります。

一物四価

ただし同通達には、土地の評価を路線価によらず課税庁の裁量により時価で課税できる規定(通達の総則6項)があり、本件訴訟は路線価での評価を否認し、総則6項に基づき行われた課税処分の適否が争点とされています。

6 この通達の定めにより難い場合の評価
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。

富裕層の節税対策(の王道?)として、実勢価格と路線価の乖離を利用した高額(賃貸)不動産取引は極めて活発に行われていて、今回の司法の判断次第では相当な影響が出ることでしょう。

(賃貸不動産の相続税評価では、土地は「賃貸建付地」建物は「貸家評価」でさらなる軽減ができるようになっています)

◆本件訴訟の概要

被相続人(北海道在住)が94才で亡くなられ相続が開始、相続人は5名です。孫養子は、単純に基礎控除額が増える事と一代飛ばしの相続ができることとなります。

相続図

被相続人が(91才で!)取得した賃貸用マンション2棟の概要です。相続人が路線価により計算し申告した土地建物評価額は、被相続人による物件購入額の約24%にすぎないものとなっています。

マンション概要

この2物件につき路線価による財産評価が著しく不適当として国税当局が不動産鑑定評価を行い、それに基づき追徴課税処分(約3億円)が行われた訳です。

本事案の事実経過。当該賃貸マンション2棟を相続した孫(養子)は相続税の申告前に1棟を売却(相続後9ヶ月)しています(高額物件なので相続開始後かなり早い段階で売却活動が始まったのではないかと思う)が、この行為は税務当局の心証を最悪にしたでしょう。

souzokuzu

また、相続開始時の借入金債務が9.6億円と大きく、上記2棟の不動産以外にあった相当額の他財産までも相殺され、結果として「0円」申告をしたことも当局としては看過できなかったのでしょう。

借入残高

本件の傍若無人のように感じる節税策が適法となるとは到底思えませんが、路線価からいきなり鑑定評価ベースでの課税処分となって原告は納得できないのでしょう。

今回司法が、現在は曖昧な財産評価基本通達総則6項適用基準について、何らかの判断を示すことになると思いますがどういう結果になるのでしょうか。

10年以上前のことですが大阪地裁で偶々傍聴した、相続税法違反の(申告漏れで悪質性はなかった)裁判で、高齢女性の被告が若い検察官から厳しく(国民の義務を果たさない罪は重いと)指弾されているシーンが強く記憶に残っています。
その衝撃によって、それまで(世間と同じように)税逃れを軽く考えていた甘い認識を改めることができました。

やはり節税策を講じるにしても、納税に関し一定の市民感覚を失わないことは大切ではないかと思っています。






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新設住宅着工、分譲マンションの動き弱い(近畿1月)

2022年1月度の新設住宅着工戸数は、前月比12.7%減(コロナ禍のない2年前同月比で11%減)の5万9690戸と6万戸を割り込む結果となりました(前年同月比では増。国土交通省発表)。

コロナ禍によるペントアップ需要の追い風で、昨年10月までは右肩上がりだった着工件数も11月以降続落、繰延需要効果が剥落してきているようです。

着工件数グラフ

これで消費税増税とコロナショックというダブルパンチから復調トレンドにあった着工件数は、一転して下降トレンドに入ったような厳しい状況に変わりつつあります。

前年同月比グラフ

低迷は、分譲住宅のうち「分譲マンション」の着工落ち込みが要因です。大きくマイナス圏になった月が目につきます。

前年同月比を見るとき、注意すべきは前年がコロナ禍で極めて低調な年だったことです。そんな異常に悪かった前年比ですら大きく下落しているというのは、相当深刻な悪さです。

◆近畿もコロナ前にほど遠く、マンションも苦戦

近畿圏は、前年比では分譲住宅以外は持ち直してきているものの、コロナ前の2年前比ではまだまだ回復途上にあることがわかります。

分譲マンション着工前年比

近畿の着工戸数増を牽引していた、熱狂的とも言える「貸家」着工ブームは、ここにきて復活傾向が顕著です。ただ、分譲住宅もマンション着工が大きく減少しているのは首都圏と同じです。

住宅建設に際し、部材高騰、部品調達難に加え週休二日の現場が増える流れで、職人不足というのも言われ出しました。コロナきっかけに外部環境が大きく変わってきているようです。






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