不動産仲介取引DXと住友不動産販売の戦略大転換

住友不動産販売(以下同社)に何か大きな変化が起きている(人員大幅入替え、宅配チラシ消滅)と感じていましたが、DX化によるビジネスモデル変革が進行していたようです。

同社は9月1日、不動産DXで業者買取り仲介革新と銘打った「不動産仲介オークション・サービス」本格開始を発表しました。
全国6千社超の不動産買取業者が参加し名称は「ステップオークション」です(同社ニュースリリース)。

同社DX化戦略(予想ベース)のイメージ図。

DX図解

新サービスのステップオークション今後のスケジュール。居住中の中古住宅も対象というのは驚き。

買取業者に売情報が一斉にばら撒かれるこの不動産オークションは、本社で買取業者対応一元化し、取引透明化や内部統制強化(癒着防止)に繋げたいという思惑により生まれたものでしょう。

内部統制で言えば、もともと同社は創業時から住友銀行流の厳格な社内管理体制のもと他業者と交流しない不動産仲介業界の一匹狼的な存在だったのです。
しかし、業者取引(大口取引・業者買取取引)が増え企業風土も変化、コンプライアンス面での課題が出てきたのかもしれません。

◆ポスティング廃止なら仲介収益は落でち込む

8月に発表された同社2022年3月期第1四半期決算は順調と言える結果で、コロナ前(2年前)2019年同期の水準まで売上高と取引件数が回復しており、取引件数も4万件(年度)に届くかという勢いでした。

そんな同社で気になるのはモニター制度(ポスティング)廃止の噂です。創業以来40年以上続く、ポスティング⇒売り物件収集・買顧客獲得⇒件数生産性向上という勝利の方程式が、モニター廃止(売相談減)で崩れる可能性を否定できません。

何故なら「ステップオークション」成功のキーは、如何に参加買取業者へ鮮度の高い売物件を供給し続けられるかにかかっているのに、ポスティング廃止(露出減)で物件開発が停滞する恐れがあるからです。

3年ほど前同社の地元営業センター(郊外店)のポスティングチラシに記載があった媒体別の反響度はこんな感じでした。当時はチラシ主体の販促で好業績だったのです。

円グラフ

不動産仲介の販促はチラシからネットに移っているのは事実ても(不動産業統計)、まだまだデジタル+アナログ両面作戦が王道のように思います。

認知経路

コロナ禍は不動産買需要を新たに掘り起こし、市場は新築・中古とも活況で物件獲得競争の激化は必至です。

現に仲介大手の東急リバブルは自社買取も辞さない(何でもありの)超積極営業をしかけてきています(ポスティングは止めていない)。

デジタル化やコンプライアンス順守が過剰になって、従来の泥臭い営業スタイル?を大きく変えるのはリスクがあるのではないでしょうか。少なくとも郊外店はまだアナログが有効だと思えてなりますん。






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