激減したワンルームマンションの発売(関西)

関西の新築ワンルームマンション分譲市場で大きな変化が起きています。高い契約率を背景に増え続けてきた、投資用ワンルームマンション(及び1DK、以下同じ)発売数がコロナ禍で激減に転じているのです。

関西の新築ワンルームマンションは主に大阪市(全体の約8割を占める。北区と中央区が中心)と神戸市、京都市で供給され、広く首都圏などからも投資家を集め活況が続いていました。

これら投資家向け分譲ワンルームマンションの発売数が、今年1~11月の累計でほぼ半減の前年比48.4%減という事態となっています。近畿のマンション発売戸数全体は前年比約20%の減少で踏みとどまっているにもかかわらず、投資用のこの状況はまさに新型コロナに直撃された格好です。

発売戸数テキスト

近畿のワンルームマンション発売戸数前年比較です。今年1月の発売数急落は、ワンルーム最大手プレサンスコーポレーション社で前年末にあった業務上横領疑惑事件による社内混乱の影響ではないかと思っています。

(過去記事:明浄学院巨額横領事件、プレサンス前社長ら起訴

戸数前年比グラフ

投資用の大半を発売する大阪市での発売戸数推移。上のグラフとほぼ同じ動きですが、新型コロナの猛威により12月以降も厳しい結果になりそうです。

大阪市のグラフ

◆コロナ禍でワンルームマンション投資は今後どうなる

大阪の北区や中央区は、単身世帯の転入増加による需要増を背景にワンルームマンション投資が活発でしたが、コロナ禍では様相が相当変わる可能性があります。

梅田に近いワンルームマンションでは、飲食業や小売り関連の人の入居割合が高いのですが、「大阪市内で飲食店約3500店がコロナ禍で廃業」というように、今回の新型コロナはワンルームマンション需要を支えていた層に大きな影響を与えていると思います。

まだ入居率が大きく下落するという局面ではないかも知れませんが、今までのような賃貸需要の増加は期待しにくいでしょう。

2008年のリーマンショックでは主に金融機関や大企業が甚大な損失を被りましたが、コロナショックは中小零細の飲食や小売り関係に大きなダメージを与えています。賃貸業にはリーマンショック時以上の影響が出るはずです。

株式市場が異常に高騰するなか、J-REITでも住居系REITが低迷しており不動産投資には今までの常識を疑ってみる慎重さが必要な局面だと思います。






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