役員報酬最高額は、住友不動産元会長ー2020年3月期

東京商工リサーチから2020年3月期「役員報酬ランキング」が発表されています(7月8日現在)。
これは各社が提出する2020年3月期の有価証券報告書に記載される、役員報酬1億円以上の個別開示情報をもとにしたものです。

役員報酬(1億円以上)の開示は、有価証券報告書に(基本報酬・ストックオプション・賞与・退職慰労金など区分して)記載することが義務付けられており、日産ゴーン事件での逮捕はこの有価証券報告書虚偽記載(役員報酬の過少申告)容疑によるものでした。

そのランキング表によると役員報酬最高額は、住友不動産の高島元会長(22億5900万円)となっています。ランキング上位常連はグローバル企業の外国人経営者たちですが、それ以外で報酬額10億円以上と開示されたのは次の3人です。

報酬上位テキスト

高島元会長は、代表取締役会長だった昨年9月逝去され同時に取締役を退任されましたが、オフィスビル事業を住友不動産の収益の柱に育てられたことで、いわば終身会長?とでもいうような立場だった方です。

この住友不動産は戦後に誕生した、大阪を地盤とするローカル不動産会社で財閥系ながらマイナーな存在でした。しかし、オイルショック後東京に進出し積極果敢な都心オフィスビル集中投資で、三菱地所や三井不動産と肩を並べる大手不動産会社に大躍進させたのは、住友銀行出身の安藤太郎氏と高島元会長のコンビだと言われています。

市況に左右される不動産販売などと違い、安定したオフィスビル事業(不動産賃貸)が会社の大黒柱として確立されたのは大きいです。2020年3月期は営業利益の大半が不動産賃貸セグメントのもので、賃貸セグメントの売上高営業利益率は42.7%と圧倒的です。

円グラフ

ただ今回の報酬額は退職慰労金にしてはあまりにも高額なので、住友不動産2020年3月期有価証券報告書を見ると、総額22億5900万円は、基本報酬6,500万円のほか退職時報酬21億9,400万からなっており、退職時報酬は過年度において支給を留保されていた報酬分と記載されていました。

役員報酬は一般的に株主総会で総額のみ決めますが、住友不動産では当期に支給されるのはその内の5割前後と説明されています。残りは支払いを留保し、退任後の退職金や相談役・顧問などとしての給与として支給されるようです。

上記の取締役の報酬額は、当期に全額が各取締役へ支給される訳ではなく、全体の5割前後が支給されます。
それ以外は、取締役が退任したときの退職金、将来業績悪化による
取締役報酬の減少補填、退任後に相談役や顧問等に就く者に支給する給与などへの備えとして、支払いを留保しております。
この留保した部分については、支給時期および取締役ごとの受取り額が決められませんので、将来支給された時点または支給されることが確定した時点で、役員ごとの報酬等の算定の対象になります。(同社有価証券報告書)

開示された住友不動産の社長の役員報酬は、同業三井不動産のそれ(2億3千万円)に比べ半分程度ですが、実際には約5割の支給が留保されているなら、実質的にはほぼ同額ということになるのでしょう。

不動産会社として他社とは一線を画す質実剛健そのものの企業風土は、元会長(「武田節」を好まれ、それで出陣式や飲み会で歌われるようになった?)なきあと変わっていくのか興味ぶかいです。






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