マンション市場は記録的落ち込み、需要は仲介に

新築マンション市場は、5月も壊滅的な状況となりました。不動産経済研究所が発表した近畿5月度実績は発売戸数85%減の214戸(前年同月比)と、バブル崩壊の1991年8月以来となる記録的落ち込みでした。

300戸程度は発売される予想だったものの、タワーマンションの販売延期(日経新聞)や、投資用ワンルームの発売なしが響いたのでしょう。

初月契約率も50%に大幅下落し、改めて高額商品の新築マンションは対面営業なしで成約させるのは難しいことが、はっきりしました。

発売数と初月契約率の推移(共に1K~1LDK除く)のグラフでは、2020年は発売数減に加え契約率も落ちています。

発売数契約率

新築分譲マンションは、発売月(初月)の契約件数(戸数)が重要な指標です。消費税増税で去年夏以降大きく落ち込んだ契約件数は、ここにきてコロナショックの追い打ちで危機的状況になっています。

売れ行き

新築マンション市場が惨状を呈しているなか、特に低価格帯ファミリータイプなどのマンション需要は高騰した新築から中古へシフトしているようです。関西でのマンション売買は、中古マンション(40~80㎡)の仲介による契約件数が、新築分譲マンション(1K~1LDK除く)の契約件数を、昨年8以降かなり上回っている状況が続いているのです。

新築中古

上記グラフでは、新築マンション契約件数には、発売翌月以降に契約にしたものも含めていますが、コロナに関しては仲介市場は新築市場に比べ相対的に影響が小さかったようです

危機的な2020年近畿のマンション市場、1~5月累計でどの価格帯が売れたのかみてみました。

価格帯別

2020年は3000万円台と4000万円台の発売がかなり減少し契約率も前年よりやや低下。この部分の需要は仲介にシフトしたでしょう。一方9000万円台や億ションなど高額物件は2019年より増え契約も順調で、一定の根強い需要はありそうです。

コロナの問題で首都圏も5月は僅か393戸!の供給にとどまり、過去最大の落ち込みとなりました。コロナ禍とはいえ、これでは新築マンション分譲業は体力のある大手マンションデベロッパー以外淘汰されそうなレベルです。

◆近畿圏2020年5月度の指標

不動産経済研究所発表のデータです。ワンルームなど投資用物件の発売はほとんどなしでした。

・発売戸数   214戸(前年同月比84.6%減)
・契約率    50%(前年同月比17.7ポイントダウン)
・1戸当り価格  4,286万円(前年同月比3.2%アップ)
・1㎡当り単価  61.6万円(前年同月比4.2%ダウン)

最近「コロナ後は不動産販売担当者は不要」というような論調を見かけます。しかし、AIやリモート営業だけで高額な不動産を売れるとは到底思えません。やはり接客対面営業は重要です。

6月以降の近畿マンション市場はコロナ対策をケアしながら接客や対面営業が出来るため、コロナ後人気を集める郊外ローエンド型マンション中心にV字回復を目指すでしょう。






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