マンションモデルルーム来場者、コロナ禍で激減

三大都市圏などで不動産業を営む企業を対象とした土地総合研究所の「不動産業業況等調査結果」4月分が発表されました。3か月前の前回調査時点では想像もしなかった大幅経営状況悪化へ急変しており、急激に経済に打撃与えているコロナショックの恐ろしさを思い知らされます。

「不動産流通業」が3ヶ月後の経営見通しマイナス65.7ポイントと先行き真っ暗な見方をし、順風満帆だった「ビル賃貸業」は一転最悪も想定する厳しい見立てをしています。非常事態宣言もあった4~6月期はとんでもない指数になるのでしょう。

指数テキスト

「ビル賃貸業」で経営見通しが激変したのは、テレワークの定着によるオフィス需要減退よりも、国交省がテナント賃料支払い猶予や免除など支援要請という賃貸業の根幹にかかわるものへの徳政令的施策への警戒心からくるものかと思います。

「住宅・宅地分譲業」で目につくのは、新築マンション市場の先行指標であるモデルルーム来場者数と成約件数の指数急落が止まらないことです。モデルルーム来場者数は-62.5ポイントと前回調査(1月)から25.8ポイント下落し、成約件数は前回から24.1ポイント下落の-50ポイントとなりました。

指数グラフ

新築分譲市場は、昨年の消費税増税から立ち直れないなかで今回コロナショックに直撃されました。この調査後、緊急事態宣言が発令されて以降は営業自粛・モデルルーム閉鎖となっているので、4月5月の新築マンション販売は限りなくゼロに近い状況ではなかったのでしょうか。

将来不安も意識せざるを得ないなかで不動産購入マインドも冷えきってしまい、不動産販売(特に高価格帯や投資用)は今後相当低迷せざるを得ません。

◆コロナ禍で不動産バブルは終わり、価値観も変わる

地下鉄駅直結タワーマンションを首都圏投資家がこぞって購入したり、ミナミの商業地やホテル用地の異常な高騰など大阪の不動産バブルも、このコロナ禍で完全に終焉を迎えました。今回のコロナショックは世界同時に起こっており、インバウンドに傾斜していた大阪の回復は遅れそうで、中央区や北区でこれから竣工するハイエンドクラスのホテルなどは厳しい局面です。

緊急事態宣言が解除され、徐々に日常生活も平常に近づきつつありますが、コロナの第2波、第3波は確実にくるため当分コロナ以前と同じ日常は戻ってきません。ワクチンなどが出来るまで、常にコロナを意識した「withコロナ」の暮らし(新しい生活様式)を続けざるを得ないです。

このような生活の変革のなかで、不動産の価値観も当然変わるはずで、今まで単に賑やかな場所であることだけで高かった商業地地価は、人が集まることが必ずしも良いことでない時代には当然下落するでしょう。

不動産価格に関して、行き過ぎた(東京的発想の)都心駅近信仰が揺らぐことになりそうなのは個人的には歓迎です。







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