積水ハウス定期株主総会は前会長の反撃で波乱必至

積水ハウスの4月23日開催定時株主総会に、地面師詐欺事件をきっかけとした人事抗争で2年前に解任された同社和田勇前会長らが、取締役の総入れ替えを求める株主提案を出しています。

普通、株主提案の取締役候補が過半数の賛成を得るのは大変です。しかし、今回はクーデターで失脚した前会長がこの総会に狙いを定めて、メディア戦略含め周到に準備し根回しした経営陣刷新の提案なので予断を許しません。

しかも米議決権行使助言会社最大手インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラスルイスの2社が、それぞれ会社提案につき、阿部会長と稲垣副会長の取締役再任に反対を推奨(但し和田氏にも反対推奨)、現代表取締役4人(前記2名含む)全員について反対推奨とのレポートを出しています。

両社ともガバナンス重視の流れ、地面師詐欺事件に絡む情報開示姿勢などが反対推奨理由のようですが、その件で責任が重いとされる会長や副会長の再任にどの位の賛成あるいは反対があるのか注目の株主総会です。

2020年1月31日における積水ハウスの株主構成。
金融機関などの機関投資家や外国人投資家は、議決権行使助言会社のアドバイを参考に自らの判断で議決権を行使しますが、現体制に厳しい目を向けることにはなるでしょう。ただし、積水ハウスはこの規模の会社にしては外国人株主比率が低いようですが。

円グラフ

◆まだ謎多い積水ハウス地面師事件の全容解明は何時?

2年前の人事抗争の発端となった有名な東京五反田の「地面師詐欺事件」は、依然として謎が多く真相究明は進んでいません。会社側は社内の調査対策委員会による事件に関する「調査報告書」の公開を頑なに拒み、情報開示に異常なほど消極的な姿勢も目立ちます。

しかし大企業で起きた大型不正経済事件なので、もっと全容解明にむけ事件の詳細を率直に開示すべきだと思います。今の状態では積水ハウスの内向き志向の隠ぺい体質が際立ち、詐欺被害額の何倍もに相当するイメージダウンになっていると感じます。

事件の流れ。多額の不明金がアメリカからも注目され、マネーロンダリング疑惑などの話もでているようです。

取引図

詐取された55.5億円のうち中間業者の「IKUTA HOLDINGS(株)」が、この架空取引で10億円の差益を得、残り45.5億円は、地面師グループ内で分配などされたりしたのでしょうが、詳細は不明です。

取引内容

マンション購入代金7.5億円とは、積水ハウスの新築マンション「グランドメゾン江古田の杜」11室を偽売主に購入させる売買契約の代金相当分で、偽売主への残金決済分から相殺したものです。

「グランドメゾン江古田の杜」は当時販売状況が芳しくなく(竣工後2年以上経つ現在も販売中)東京マンション部としてどうしても売りたい物件だったのでしょう。しかしそんな営業?をする前に、何故大型土地取引にあたって最も大事な「売主の本人確認」に、(いろいろな警告があるにもかかわらず)最大限の努力をしなかったのか本当に不思議な会社です。

ここにきて、積水ハウス元不動産部長の方の「会長(当時の社長)は不正取引を知っていた」との実名証言が飛び出すなど、株主提案側が一段と攻勢を強めているようです。

新型コロナウィルス禍のもと、例年とは違う(参加者、時間)株主総会がどう決着するのか注目です。

(4月17日追記:積水ハウスの株主総会の開催場所が急遽ウェスティンホテル大阪から梅田スカイビルに変わったようです)。

なお、積水ハウス社の調査報告書全文(黒塗り箇所あり)は「SAVE SEKISUI HOUSE」というサイト(株主提案側の情報提供サイト)で読むことが出来ます。

(過去記事:積水ハウス地面師詐欺事件、驚きの社内調査報告書
(過去記事:積水ハウス地面師事件、見えはじめた失敗の本質






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