大阪の公示地価、ミナミの上昇は昨年後半から陰り

新型コロナウィルス騒動のさなか、令和2年公示地価が発表されました(3月18日)。公示価格は遅行指標なので、大阪の地価に大きな打撃となるコロナショックの影響が出るのは半年後の基準地価調査からです。特にミナミの地価上昇エンジンだった、心斎橋の高収益商業施設などで売上げ激減しており、ミナミの地価反落が現実味を帯びてくると思われます。

今回、近畿で価格・伸び率共に最も高かったのは、大阪ミナミ・戎橋北詰の「住友商事心斎橋ビル」で、全国3位44.9%の上昇率を記録し、3年連続大阪最高価格地点となりました。1平方メートルあたりの価格は2,870万円です。

このビルはアパレルのH&Mをキーテナントとする「クリサス心斎橋」というビルでしたが、住友商事が昨年4月208億円(敷地面積502㎡、㎡単価約4,140万円!)で取得後、名称変更されたものです。

住友商事心斎橋ビルに名称変更後はキーテナントも入れ替わり、昨年12月から「サンドラッグ」が入居しています。サンドラッグは大阪高価格地点第3位心斎橋筋のコンパクト型商業ビルの一棟テナントでもあります。
心斎橋筋の路面店舗は、賃料負担能力がずば抜けて高いドラッグストア位しか入居が出来ないほど賃料が高騰しているようです。

また、このビルは公示価格と基準地価の共通地点なので、半年ごとの地価変動を見ることができますが年間44.9%の上昇でも、昨年後半は明らかに上昇率が鈍っています。

半期ごと価格

大阪商業地の高価格地点トップ5地点(白がキタ、色つきがミナミ)
トップ5地区

価格第3位の上記心斎橋筋2-8-5地点は、東急不動産が平成27年12月に坪5,000万円(敷地面積436㎡:㎡/約1,515万円)で取得したと言われていたヤマハ心斎橋店跡地です。東急不動産はこの用地をコンパクト型商業ビルとして開発しました。

今回の公示地価はグランフロント大阪南館などキタの商業地が。梅田エリアの再開発期待などで全般に高い上昇率となっています。

一方インバウンド主体のミナミは、日韓関係の悪化などで昨年秋以降その勢いに陰りがみえ始めており、ホテル稼働率もかなり落ち込んで供給過剰が囁かれはじめているなか、今回の公示地価での上昇率鈍化は(住友商事心斎橋ビルは別にして)当然だと思います。

問題はコロナウィルスに直撃された夏の基準地価です。ミナミの地価はインバウンド需要の爆買いによる商業施設の高収益性によるものだったので、この新型コロナによる打撃はとんでもなく大きいでしょう。高収益の代表格、ドラッグストア(マスク特需はあるものの)やカプセルホテルの動向に注意が必要な気がします。

◆コロナで壊滅的なインバウンド需要は戻るのか

JNTO(日本政府観光局)の発表では、
「2020年2月の訪日外客数は、前年同月比58.3%減の108.5万人となり、なかでも訪日中国人観光客は前年同月比87.9%減」ということです。

3月はもっと悲惨な数字になるなずで、インバウンド特に中国人観光客需要を謳歌した大阪が今、壊滅的な打撃をうけそうな気配になっています。需要増を見込んでどんどん建設中でもある、ホテルの稼働率はとんでもないものにならざるを得ません。

この新型コロナウィルスもいずれ終息はする訳ですが、インバウンドの需要はどのくらいの期間が過ぎればもとにもどるのでしょうか。

国内観光などは戻りが早いはずですが東京五輪も延期っぽく、世界恐慌のような状態の海外旅行客の戻りはやはり相当時間がかかると思われます。少なくともリーマンショック時のように1年程度は我慢の季節となることを覚悟しないといけないかもしれません。

なお住宅地も大阪市西区など急上昇していますが、マンション又はホテル用地としての需要によるものと思われます。

(関連記事:大阪最高地価地点のクリサス心斎橋を住友商事が取得






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