SREホールディングス(旧ソニー不動産)東証マザーズ上場へ

SREホールディングス(旧ソニー不動産。以下「SRE」)の悲願だった、東証マザーズへの新規上場(12月19日)が決まりました。ただソニーの不動産新規事業として大きな話題となった、会社設立時とはうって変わってひっそりとした上場発表です。

公募140万株と売出し308万株及び最大67万株のオーバーアロットメントによる売出しを行い、想定仮条件は2,500円~3,450円(平均価格2,975円)です。

SREの「新規上場申請のための有価証券報告書」(以下有報)から、同社の事業領域をまとめると下表のようになります。

事業領域

SREは2020年3月期(連結)の売上高を前期比33.7%増の38.1億円と計画するものの、中間決算時点では売上高13.9億円で通期計画に対する達成率36%に留まっています。

売上高推移

常識的には、不動産仲介(リテール)やITプラットフォーム事業、AIソリューション事業で売上高を急増させるのは不可能です。高付加価値IoTマンションというファンド向け(?)「AIFLAT」か大口法人仲介で契約(引渡し)予定があるのかも知れません。

昨年来、不動産テックと称する新興上場企業の(詐欺的とも言える)モラルのなさ・レベルの低さが露呈したため、不動産×テクノロジー(?)企業に対する社会の信頼は大きく揺らぎました。そういった状況のなか、SREの成長性についてもシビアに見られているように感じます。

更に投資家心理を冷やしているのは、今回の売出株(OA含む)の多さでしょう。公開株の約73%相当を占めます。
公募株と違い、大株主等が保有する既存株式の放出である「売出株」の資金は、既存株主の株式売却収入となるので、その比率が多いと「上場ゴール」の雰囲気が出てしまいます。

円グラフ

公募株は新規発行株、売出株は既存の株主が持つ未公開株です。

公募株⇒新規上場会社が市場から調達⇒資金はSREホールディングスへ
売出株(OA含む)=既存株主の株を市場に売出す⇒資金は既存各株主へ




2019年3月期と2020年3月期中間決算(連結)をもとに各事業の売上げ構成比をだしてみると、AI子会社SRE AI Partnersが担うAI ソリューション事業が比較的伸びています。ただし、ターゲットは、不動産仲介会社や金融機関というややニッチな市場なので、どの位ポテンシャルがあるかはよくわかりません。

円グラフ2

祖業の不動産仲介業(リテール)は、片手仲介とかで(成約件数の)9割が片手手数料(!)だとされている(有報)ので、大きな収益貢献は望めません。ハードルの高い不動産個人間売買に係わるITプラットフォーム事業も同様と思います。

結局短期的には、「AIFLAT」販売事業(いわゆる「不動産販売」)の成否が、業績を左右することになるのでしょう。IoTマンションを謳う商品ですが、スペックもさることながら立地が最重要なので用地選定力(目利き)がキーになりそうです。
(下図は有報掲載のもの)

最近、SREが目黒区中目黒の開発用地を取得したと報じられました(日経不動産マーケット情報)。売主のAQUA RESORT社ホームページで確認すると中目黒1丁目の土地580.53㎡(約175.6坪)が該当物件と思われます。AIFLAT開発用地でしょうか。

間もなくブックビルディングが始まりますが、どうなるでしょう。ちなみにSMBC日興証券と大和証券の共同主幹事とも言われています。いずれにしろ投資は自己責任で。






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