明浄学院巨額横領事件、プレサンス前社長ら起訴

大阪地検特捜部は25日、学校法人明浄学院の土地売買契約を巡る21億円横領事件に関し、地場マンション大手プレサンスコーポレーションの山岸前社長ら6人を起訴しました。
特捜部の見立ては、「大橋被告(元理事長)が横領を主導し、山岸被告も部下から計画の説明を受けた上で加担した」(毎日新聞)ということのようです。

プレサンス社は前々日23日付で社長の辞任、副社長の社長昇格を発表しましたが、起訴処分を想定してのものでしょう。もし社長が有罪(執行猶予含む)となれば、同社の宅建免許は即取消し処分という非常事態になる恐れがあったわけです。

新社長の記者会見でも、「21億円の支出は社長ら2人だけで決め、他の幹部は知らなかった」(毎日新聞)と会社の関与がないことを極力強調していました。

刑事事件流れ

報道によると、マンション建設に適した好立地の土地に目を付け、まず大橋元理事長側に約18億円を提供し経営難の学校法人の経営権を握り、その後プレサンス社に土地を売却させるという壮大な?構図だったようです。確かに2015~2016年頃の大阪市内マンション用地獲得競争は苛烈で、投資用の狭小用地取得と違い大規模開発用地仕入れには実績の少ないプレサンス社としては、手段を選んでいられない状況だったのかもしれません。

プレサンス前社長がどうしても取得したかった明浄学院の土地、利便性と住環境に優れた大阪市内でも希少な立地ではあります。ファミリー型マンションを販売したら間違いなく圧倒的な人気物件になったはずです。

学院地図




事件の経緯の整理。プレサンス社に土地全体を売却する旨の協定書を2016年12月に結んだものの、保護者の反対等で校舎移転計画が頓挫したのが躓きの始まりだったようです(注:O容疑者=大橋元理事長)。
やむなく校地の一部売却で借入の18億円(と利息)を返済することにしたのでしょうか。

時系列表

学校経営権取得のための資金の流れとその回収の流れ。借入金返済に流用するためか、31億円(32億円?)の売買価格に比して手付金21億円は(18億円返済するために?)異常に大きい金額となっています。

学校参入時

資金回収

あまり触れられていませんが、学校経営参入時にあった無期限・無利息(と言われている)の10億円貸付けとはどういうものなのかなど不明な点もまだ多いです。

改めてプレサンス社の2019年3月期の有価証券報告書を見てみました。
ワンルームマンション主体の会社だと思っていましたが、意外にもファミリーマンションによる売上高がワンルームより大きくなっていました(供給戸数はワンルームが多い)。

想像では今回の事件の遠因はステイタスが全く違ってくる、ファミリー型供給主体のマンションデベロッパーへの変身を急いだことにあるかもしれないと考えます。

円グラフ

強力な営業力でマンションが売れ続けているので、どうしても用地確保は至上命題だったのでしょうが、もし乗っ取りまがいの学校経営参入にまで加担していたならやり過ぎです。

同社は「外部経営改革委員会」を設置し再発防止を図るということですが、社長を辞任しても株式の4割を保有する創業者を巡って、企業統治をどう機能させるかなど悩ましい問題が残っているので、経営の舵とりは大変だと思います。

山岸前社長は大京出身で、あの最強営業軍団で一世を風靡したアーバンコーポレーション(2008年民事再生)の房園氏とは同期ですが、このまま一線から退くことになるのでしょうか。






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