モデルルーム来場急減、マンション市場は一段と中古にシフトか

土地総合研究所が、7月1日時点の「不動産業業況等調査結果」を発表しました。四半期ごとの1月、4月、7月、10月に三大都市圏及び地方主要都市で不動産業を営む業者を対象に実施されているものです。

そのうちの「住宅・宅地分譲業」で驚くのは、モデルルーム来場者数と成約件数指数の急減です。新築マンション市場の先行指標であるモデルルーム来場者数は、前回調査(19年5月)時の6.1ポイントから△31.3ポイントに急落しました。

MR来場者数

これほど大幅な悪化は、消費税駆け込み需要の反動減によるものです。現在、高額家電はじめ衣料品など幅広く駆け込み需要が発生していますが、住宅は他業種と違い3月末が(請負契約の関係で)期限だったのです。前回増税時ほど目立たなかったものの、新築マンション(=モデルルーム来場)にも駆け込み需要が相当あったのは間違いありません。

近畿圏5月の新築マンション契約戸数(投資用分除く)を再確認してみると、やはり3月の好調と4月の反動減が際立つ結果でした(5月には平常ペースに戻る)。

ファミリー物件契約率

7月1日時点でモデルルーム来場者数これだけ落ち込めば、8月の新築マンション市場はかなり厳しいと思います(例年8月は売出しも少なく低調な月ではあるとしても)。
反動減による停滞が免れないものの、短期に回復⇒秋商戦で急回復となればいいのですが。

◆マンション市場で取引の主役は、今や中古マンション

モデルルーム来場者急減には驚きましたが、近畿圏マンション市場においては、既に中古マンション成約数が新築マンション契約数を大きく上回っているのが現実です。実需(ワンルーム~1LDKの投資用を除く)の取引件数は中古が約3割ほど多く、新築マンションから中古マンションへのシフトが確実に進んでいるのです。

(新築はワンルーム~1LDK除く。中古は専有面積40~80㎡のもの)
新築と中古契約件数

上記グラフで中古マンション成約数も、2,3月に急増していますがこちらは、消費税がらみではなく季節要因でしょう。

近畿圏の中古マンションも新築マンションに連動して、2013年2月から78ヶ月(2019年7月)連続で成約㎡単価が前年同月をうわまっています。しかし、上昇幅は非常に緩やかで全体では坪単価約112万円程度に止まっており(大阪都心部はかなり上昇も)、新築マンション㎡単価の半分以下です。
下のグラフは近畿圏の過去2年分で、橙色の棒グラフ部分が成約㎡単価です。





新築マンション分譲業は用地取得に関し、地価上昇やホテル用地(最近はオフィス系などとも)との競合など苦しい状況が続きます。加えて建設費の高止まりや販売状況苦戦もあって、マンションデベロッパーは量より質に戦略転換を図っているので、当面供給量が大幅に増えることはないでしょう。

新築志向は根強いものの、リノベーション技術の進化などもあり、中古マンションへのシフトは止まらないはずです。







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