レオパレスの入居率下落、歯止めかかる気配なし

単身者用賃貸アパート大手「レオパレス21」が発表した8月入居率は、計画から約4ポイント低い80.21%(前月から0.46%減)となり、昨年春の施工不良問題発覚から続く入居率下落に歯止めがかかりません。

レオパレス社の収益の柱は賃貸(サブリース)事業であるため、入居率が極めて重要な指標となります。しかしこの流れではサブリース契約の損益分岐点(逆ザヤとなる)と言われる、入居率80%を9月に割り込むのは確実な状況です。

入居率

同社の第一四半期決算(8月9日発表)では、営業利益△42億円(前年同期は41億円の黒字)と大幅赤字に沈みました。当初計画と大きな差異はないという楽観的な見立てもあるようですが、極めて厳しい状況にあることは間違いないと思います(遵法意識に問題ある会社なので、更なる悪材料が出る可能性も否定できない)。

レオパレスは従来、開発(アパート建築請負)と賃貸(サブリース)を両輪として業績を拡大してきた会社ですが、構造改革で近年は賃貸事業が同社の中心事業となっています。そこに、会社ぐるみ?の建築不正工事が大きく報道され、開発事業は更に低迷し賃貸事業一本足の経営となっているのが現状です。

ただ、開発事業が不振で新築物件を取り込めないというのは、賃貸・管理事業にとって良いことではありません。専有面積20~25㎡前後の単身者用アパートは、新築時には相場より1万円以上高い家賃(新築プレミアム)でも満室スタートでき、属性の良い入居者が集まり管理も楽というボーナスステージがあります。

そういったフレッシュな物件(新築プレミアムを享受できる)をラインナップできないデメリットが、時間とともに効いてくるのではないかと思います。経年で古くなり続ける物件を扱っていれば賃料は下がる一方で、かつ入居者のレベルも落ち管理面でも難易度が増すはずだからです。

下図はレオパレスの大まかなビジネスモデル。サブリース契約は借地借家法が適用され、物件オーナーよりサブリース業者(レオパレス)のほうが立場が強くなりうることに注意。

ビジネスモデル



下図はレオパレス社の決算報告補足資料の一部。派遣労働者の需要が高まった2012年頃から法人契約が増加しているようにも見えます。

属性

一般的に賃貸契約では、法人契約が多い(家賃補助がある、審査が通りやすいなど)のですが、法人契約が多いからといって賃貸経営が安定する訳ではありません。法人にはピンからキリまであり、超短期で退去とか、住んでいる人がよく代わり実態を把握ができないとか問題も多いです。

少なくとも、居住性能に関し色々言われているレオパレスのアパートを、あえて社宅(?)にするという企業が多くあるとは(個人的には)とても思えません。

旧村上ファンドの「レノ」が、レオパレス株の一部を売却しました(9/6日経新聞)。保有割合16%強から約10.5%に減らしています。約16%保有時の平均取得単価が233円ということなので、レノはそれなりの利益は得ていますがやや拍子抜け感もあります(9/11終値286円)。
村上世彰さんは「単身世帯向けアパートの需要は手堅い」と言っていましたが、見方が変わったのでしょうか。

単身世帯が増えその賃貸需要は伸びているのは間違いないものの、大阪の北区などで実感したのは、流通や飲食関係の若い女性の入居者が増えているというものでした。レオパレスは入居者の女性比率が約3割程度とまだ少ないようなので、そこを引き上げられるかが課題だと思います。

ところで最近の報道では、レノに代わって投資会社アルデシアインベストメントが保有割合を15%超まで高めてきているようです。当面レオパレス21の株価から目がはなせません。

(過去記事:レオパレス21の施工不良問題と深刻さ







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