レオパレス21の施工不良問題と深刻さ

賃貸不動産大手「レオパレス21」で、新たな施工不良が発覚しました。昨年の天井裏(界壁がないなど)に続く不祥事です。

建築基準法違反として今回公表されたのは以下の3か所です。安い部材でコストカットしたのでしょう。
(1)外壁・・・耐火基準に適合しない(発泡ウレタン使用)
(2)部屋間界壁・・・遮音性能満たしてない(規格外断熱材使用)
(3)天井・・・耐火基準満たしてない(部材二重張りを一重)

部屋の界壁の遮音性能はともかくとして、外壁と天井で準防火構造に関する建築基準法の基準を満たしていないというのは、大きな問題です。不動産の管理運営を業とする上で、「安全」は最優先すべき事項だからです。

昨年来の施工不備の部位
断面図

今回公表の施工不備の内容は
●建築基準法が規定する耐火基準に反し、外壁の内部にグラスウールを挟むべきなのに発泡ウレタンを詰めた(925棟)
●天井材を二重に張るべきところを一重にした(641棟)
●部屋間の仕切り壁(界壁)に同法の仕様と異なる材料を使い遮音性能を満たしていない(771棟)
となっています(毎日新聞から引用)。

施工不備をうけレオパレス21社は、天井の耐火性能が建築基準法の基準を満たしていない、対象物件の約7800人の入居者に転居を要請する事態になっています。

入居者もこの賃貸繁忙期に転居先探しは大変ですが、周辺の賃貸業者がチャンスとばかり、レオパレスのアパートに空き部屋告知のポスティングをしているでしょう。
引っ越しについては、ファミリー世帯と混同されていますが、レオパレスの入居者は単身者です。家財が少ないこと、もともと家具・家電付き物件が多いことなどで、レンタカーや家族・知人の車などで済ますことが出来るのではないかと思います。

◆施工不良問題と業績等への影響度

同社のビジネスモデルはシンプルです。建物オーナーから一定期間家賃固定で一括借上げ(サブリース)し、アパート経営を代行するというスタイルです。

ビジネスモデル

セグメント別売上高では賃貸事業(サブリース)の一本足打法なのに今回の施工不良問題は、その賃貸事業を直撃するので大打撃です。借り上げ社宅として契約している法人にも、契約解除の動きがでるでしょう。

円グラフ

営業利益もほぼ賃貸事業が稼ぎます。赤字に沈んだ開発事業(建築請負)もこれだけ悪材料が出ると、早急な回復シナリオは描きにくそうです。

営業利益

同社は、家賃収入とオーナーへの支払い家賃との利ザヤが収益源なので、入居率の低下でそれが逆ザヤとなると大問題となります。ちなみに、発表された施工不良は1,324棟に及び14,000人に退去要請するとのことなので、かなりな規模の退去です。

同社は、今回の施工不良問題発表と同時に、2019年3月期の当期純利益を380億~400億円の赤字(前回発表50~70億円の赤字予想)になると発表しました。それを受け金曜日の株価はストップ安と急落。PTS取引でもまだ下げているので3連休明け火曜日の株価も軟調な動きとなるでしょう。

悩ましいのは、全棟の調査(図面上でなく実地の)が相当数未了なので、今後の展開で何が起こるか読みにくいところです。最悪の事態の輪郭が見えてこなければ、確固たる対策の打ちようがありません。

レオパレス21の前身は「株式会社ミヤマ」という不動産仲介会社です。大手仲介業者とはあまり取引のない会社だったはずですが、大胆な業態変更が成功し大規模な会社になりました。

ただ、報道で見る限りコンプライアンスに懸念はある会社なので、別の悪材料が出る可能性も否定できません。今のところ同社の財務面は余裕があるようですが、少なくとも賃貸最需要期の2、3月にこの騒動は結構なダメージになるでしょう。
 






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