新会社設立で不動産業視野の三菱UFJと大阪三菱ビル

超低金利で収益が低迷し、厳しい経営環境が続くメガバンクでは昨年来、人員削減・再配置や店舗統廃合などの大規模な構造改革策が発表されています。

従来、銀行は都心部一等地に陣取り合戦のように店舗を設けて、優良顧客である高齢者の囲い込みをはかってきました。しかし、カードや電子マネー、インターネットバンキングやスマホアプリなどによるキャッシュレス化の急速な高まりで、銀行の旧来型ビジネスモデルは変革を迫られています。

そのキャッシュレス決済化比率は20%程度(2016年)と低いものの、政府は大阪万博(2025年)に向け、同年のキャッシュレス決済比率4割達成を謳っています。現金派なのに電車や買い物など、日常生活で現金を使う場面がめっきり減っていることに自分でも驚くほどなので、上記目標の達成は可能と思います。

国の後押しもあるキャッシュレス化は、少子化・人手不足もあり、今後より急速に進展していくことは間違いありません。銀行業務の省力化や店舗閉鎖は避けられない大きな時代の流れとなってきているのです。

キャッシュレス比率

三菱UFJフィナンシャルグループでも、2018年度からの3年間で国内516支店の1~2割を統廃合し、2023年度までに店舗を半減させる計画ということです。確かにインターネットバンキングの簡便さに慣れると店舗に行くことはなくなり、店舗内のATMなども以前比べやや閑散としています(もっともコンビニATMのほうはよく使います)。

そういった事業環境の変化のもと、三菱FUJフィナンシャルグループ(MUFG)では、昨年10月三菱地所と共同出資で自社の店舗再編のための新会社を設立しています。新会社の名称は「MUMECビジョナリーデザイン」で銀行の支店などMUFGが保有する不動産について、有効活用する方法を助言する(日経新聞)、不動産コンサルティングを手掛けます。

閉鎖される銀行支店は駅前など好立地にあり、単純売却してしまったり賃貸の解約ではなく、継続的な収益源として活用したい貴重な経営資源です。ただ、銀行は「他業禁止」で不動産業が出来ません。そのため、コンサルティング会社により収益の一部をグループ内に留めるとともに、不動産再開発のノウハウを得て将来の不動産業参入規制緩和に備えるということでしょう。

大阪市内でまず、MUFGの店舗有効活用の対象となり得る目玉案件は、空きビルになった堂島浜の大阪三菱ビルです。以前、三菱地所に売却かというニュースがありましたが、その後の動きが聞かれません。
大阪三菱ビルは、淀屋橋最寄りで梅田から徒歩圏と交通利便性に優れ、御堂筋に面する視認性の高い好立地(敷地面積約3,500㎡)です。もしこのビルを含めて再開発事業をするなら一大プロジェクトになるはずですが、この件に不動産コンサルティングの新会社は絡んでいるのでしょうか。

かっては三菱商事の大阪支社なども入っていた15階建ての大阪三菱ビル。隣のブロックには新ダイビルがあり、オフィスビルとして高い立地競争力を持っていると思われます。

大阪三菱ビル

周辺図。

周辺図

付近拡大図。隣接地には専門学校。

拡大図

今、地銀は不動産仲介業参入を熱望しています。実現すれば消費者にとっても地域にとっても有益なことですが、フットワークの良い地銀が参入したら、ネットに傾斜しすぎているように見える仲介大手には脅威になるでしょう。想像以上に、銀行員はしっかり汗をかいて地域を深耕するアナログ営業を展開しているのです。

いずれにしても不動産業務規制緩和を睨んだ、地銀やメガバンクの今後の動向が注目されます。






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