近畿の10月住宅着工は貸家にブレーキ、持家と分譲は増

平成30年10月の新設住宅着工戸数が発表されました。10月の全国新設住宅着工戸数は、貸家は減少したものの持家及び分譲住宅が増加したため、全体では前年同月比0.3%の微増となりました(国土交通省)。

近畿圏では、持家及び分譲住宅が増えた一方で、貸家が前年同月比20%減とブレーキです。
今年3月、4月と全国平均を大きく上回り、8月、9月も前年同月比で連続増加していた近畿全体の総戸数は、10月度前年同月比5.5%減とやや落ち込みました。

近畿の住宅着工戸数を牽引していた貸家は今後失速し、代わって消費税増税のからみで持家や分譲住宅が来年春位まで順調に着工戸数を積み上げていくでしょう。ただ、5%⇒8%への増税時より上げ幅が小さいので、前回ほどの駆け込み需要はないと思います。

10月の近畿圏と首都圏の前年同月比比較。首都圏は少し勢いが出てきたようです。
近畿と首都圏

(図)9月までの住宅着工件数(出典1.2:近畿経産局)

経産局データ1

貸家の減少は、スルガ銀行のシェアハウス不正事件などにより、貸家業向け融資が一段と厳しくなっているからでしょう。また持家や分譲住宅の活況は来年秋に予定される消費税増税を見据えた動きのように見えます。

完成まで時間のかかる住宅の場合前回と同様、増税6カ月前の来年3月末までに「請負契約」をすれば、10月以降の引き渡しでも旧税率適用という経過措置での救済があると思われるので、しばらく増加基調で推移しそうです。

○近畿圏
総戸数(前年同月比5.5%減)
持家(同7.8%増)
貸家(同20.0%減),
分譲住宅(同8.2%増)
 うちマンション(同6.3%増)、うち一戸建住宅(同9.1%増)

◆分譲マンション着工は伸び悩み、販売低調が影響?

年度初めの4月5月と前年同月比で大幅増となった、近畿の分譲マンション着工件数はその後大型案件の着工が少なく、やや伸び悩んでいるようです。首都圏などからのタワーマンション投資需要の剥落による高価格帯物件の販売不振は想定内と思われますが、こへきての実需向けファミリータイプの販売が、一段と厳しくなっているようなのも気になります。

分譲マンション着工件数

2017年に比べ低調だった2018年の分譲マンション市場ですが、中旬に発表される11月分「マンション市場動向」がどうなっているのか注目です。






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