伊藤忠アーバンコミュニティ遂に旧大阪ガス系を吸収合併

伊藤忠商事グループのマンション管理会社、伊藤忠アーバンコミュニティは同じマンション管理業の100%子会社、IUCコミュニティライフを、2018年10月1日付で吸収合併すると発表しました。
2015年12月、巨額の管理費等着服事件など不祥事が止まらず危機的状況だった当時の大阪ガスコミュニティライフを買収し(同時にIUCコミュニティライフに社名変更)約3年、ようやくそのガバナンス改革に目途がついたということでしょう。  
(IUCコミュニティライフ社ニュースリリース:合併のお知らせ

2016年の冬、首都圏の管理会社の方から、伊藤忠アーバンコミュニティが子会社IUCコミュニティライフの企業風土改革に手こずっているようだとの話を聞きました。
買収される前の旧大阪ガスコミュニティライフ社は、大阪ガスセキュリティサービス(一部)とその子会社「ユニチカライフ」(1999年買収)及び大阪市住宅供給公社系「大阪ハウジングサービス」(2006年買収)を経営統合(2009年)して、マンション管理事業強化拡大を進めていました。

しかし、関西地盤のマンション管理会社としてトップクラスの規模になったものの、経営を担う大阪ガス系にマンション管理事業についてのノウハウ・知見が欠けていました。しかも組織統合に際して重要な、企業文化融合への準備・対応も不十分で従業員のモチベーションは低下し、あり得ないほど危機感のない緩んだ企業風土になっていたようです。

大阪ガスコミュニティライフ社の沿革
沿革

当時の大阪ガスコミュニティライフは管理員による約2億円の管理費横領事件など、大きな不祥事が続き、マンション管理会社の体をなしていなかったのは事実だと思います。
(過去記事:大阪ガス系マンション管理会社、また業務停止処分

マンション管理業者としての「登録取消処分」もありえる内部統制不全のマンション管理会社を抱えた大阪ガスとしては、譲渡額にかかわらず早期の事業売却以外選択肢はなかったと思いますが、伊藤忠アーバンコミュニティの買収投資額は、わずか数億円でした。
そのIUCコミュニティライフ社は、平成30年3月期決算で約9000万円の当期純利益を出しており、管理受託戸数3万戸に満たないマンション管理業者としては上々の決算内容となっています。

マンション管理業は、売上高利益率は低いものの管理委託費が毎月きちんと振り込まれてくる、債権回収の苦労のない非常に安定した事業です。取引相手となる「管理組合」が倒産することはないからです。もちろん、管理組合自体にとっては組合員(居住者)からの管理費未収という問題はありますが、管理業者への管理委託費の支払いとは直接に関係しないものです。

そういうことから、M&Aの対象として人気のある業種というのも頷けます。

今回の合併により、伊藤忠アーバンコミュニティのマンション管理受託戸数は、IUCコミュニティライフの管理戸数28,776戸(2018年分)と合わせ約10万7千戸になり、管理戸数ランキングも、野村不動産パートナーズに次ぐ13位にランクアップするはずです。

ただマンション管理業界も、フロント、管理員とも人手不足が深刻です。いままでのような管理受託戸数増の競争より、管理の質向上で差別化するマンション管理会社が増えていくと思います。

(過去記事:大阪ガスコミュニティライフ元社員ら逮捕される
(過去記事:元大阪ガス系マンション管理会社員の管理費詐取事件公判





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