三菱地所、関西の不動産会社アーバンライフ買収へ

三菱地所は7月24日、東京証券取引所2部上場、関西地盤の不動産会社アーバンライフ(神戸市東灘区)を株式公開買い付け(TOB)で買収すると発表しました。(三菱地所ニュースリリース)

今回のTOB取得価格は7月24日の終値(1026円)を大きく上回る1株2415円です。値動きの少なかったアーバンライフ社の株価は25日以降急騰しています。

アーバンライフ株価

TOB期間は7月25日(水)から9月4日(火)までの30営業日ですが、早速ストップ高連発で7月30日(4営業日)には一気にTOB価格に到達しました。以後は、ほぼ横ばいに近い水準の株価で推移するでしょう。
5営業日推移

三菱地所によるとアーバンライフの筆頭株主、森トラスト(64・7%の株式保有)はTOBに応じる方針ということなので、このTOBは粛々と進み、アーバンライフは上場廃止となるでしょう。三菱地所は全株取得を目指していますが、その買い付け総額は約76億円ということです。

◆アーバンライフの現状と今後

1970年芦屋で設立されたアーバンライフ社は、阪神間や京都・大阪に昭和40年代からマンション分譲を手がけてきたマンションデベロッパーの草分け的存在でした。「アーバンライフ」などのブランド名で好立地に洗練された質の良いマンションを供給することで、イメージの良い会社だった印象があります。ちなみに「アルコープ」も同社がはじめて導入したそうです。

しかしバブル崩壊後の不況で、2004年森ビル開発(現:森トラスト)の子会社となりその傘下で経営再建を目指しましたが、2007年のサブプライム問題に端を発したマンション市況の低迷もあり、2012年には分譲マンション事業から撤退しています。

その後、マンション管理部門を関西電力に譲渡(現関電コミュニティ)するなど事業を再編スリム化し、営業エリアも不動産賃貸以外は阪神間に特化しているようです(連結従業員数104名)。

現在の主力業務は、不動産賃貸をメーンに仲介・販売代理や不動産販売などで、収益構造は大きく変化してきています。下の2018年3月期の売上高内訳(売上高:約32億円、当期純利益:約5億円)グラフで、緑色の部分「不動産販売」は中古マンション買取再販事業です。

円グラフ

なお、今年5月、本社の入っている「東神戸センタービル」を約70億円で東京の投資会社に売却し、譲渡益約34億円で約12億円の累損を一掃しています(神戸新聞NEXT)。

本社ビル

三菱地所は、アーバンライフの知名度を生かして、関西圏での不動産業や中古物件の流通事業の強化につなげる考えということです。アーバンライフによる阪神間での、分譲マンション事業再開があるかもしれません。






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