新築マンション販売の”囲い込み”?は問題か

「新築住宅の販売も”囲い込み”!?不動産仲介会社はなぜ新築を扱えないのか」という記事を見ました。(外部記事
新築住宅というのは、新築分譲マンションを指していると思います。「新築物件を”囲い込み”せず、仲介会社にも自由に売ってもらえば、広告宣伝費等販売費を節減でき、購入者は(仲介手数料を払っても?)物件価格が安くなり買いやすくなる」という趣旨ですが本当でしょうか。

要するに新築分譲マンション販売において、事業主は不特定多数の(?)不動産仲介会社にも扱えるようにすべきという意味のようですが、的外れな指摘です。

現在の新築分譲マンション販売手法(未完成売り=青田売り)を前提にすると、売主にとっては販売方法は直販か販売代理かのいずれかです。
(1)自社で営業部署と販売ノウハウをもつ事業主(売主)→直販
 ・住友不動産 三井不動産レジデンシャル、野村不動産、三菱地所レジデンス等
(2)上記以外→販売代理(大手はその子会社販売会社に委託)
 ・東急不動産は東急リバブル、東京建物は東京建物不動産販売に販売委託など

マンション開発事業は、販売開始から全戸完売・引き渡しまでの期間、プロジェクト全体の業務の流れをきちんとマネジメント出来ないと成り立ちません。リソースがあれば自社で販売、そうでなければ信頼出来る販売会社をパートナーとして完売まで、責任を持って販売業務にあたらせるのは企業として当然のことです。直販または販売代理に付随して、特別な関係の企業との販売提携(媒介)はあっても、一般の不動産仲介会社との販売提携(媒介)は選択肢になりえないです。

よく誤解されていますが、東急不動産のマンションで「販売提携(代理)東急リバブル」となっている場合、リバブルの仲介担当者が業務を行っているわけではありません。仲介会社のイメージが強いリバブルですが、社内の新築マンション販売部門のチームが仲介とは違う業務である販売代理を担当します(東京建物不動産販売も同じ)。

その販売チームは、事業主への販売戦略企画立案や価格設定・広告戦略の提案などを行うので、業務の量や範囲、責任、期間が仲介業務とは異なります。新築マンション販売に特化し、ある程度のノウハウがないと販売代理の受託を得るのは難しいのです。

販売代理と仲介(媒介)の違い

仲介業務の流れ販売代理は大きなプロジェクトだと2年以上かかったりしますが、仲介は比較的短期で完結します。業務内容もシンプルです。


業法上、代理と仲介にはそれぞれ報酬額上限があります。

代理と媒介の報酬額 報酬額には倍の開きがありますが、新築マンション販売代理の報酬額は3%程度と思われます。
元記事では販売代理の報酬額は5%程と書かれていますが、そんなに出す事業主はいないでしょう。広告宣伝等の多額な販促費、モデルルームや販売センターなどの設置・維持費など総て売主が負担するからです。


一時期当時の大京が新築マンションの完成売り(竣工売り)方式を試みましたが、エンドユーザーの支持はなく今は未完成売りに戻っています。新築マンション竣工売りは、資金回収の遅れや市況変化など考えるとデベロッパーのリスクが大きくなりすぎます。

いい悪いは別にして、現状は青田売り方式の販売が定着しエンドユーザーはモデルルームを見て、購入申し込みをするというのが常識となっています。個々の仲介会社が関われるのは、顧客を紹介し紹介料(そういうことを認めている売主があるのかどうかはわかりません。多分少ないと思います)を得るということでしょうか。






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