地価LOOKレポートにみる大阪の地価動向

国土交通省からH29年7月1日~H29年10月1日(平成29年第3四半期)の地価LOOKレポートが発表されました。駅前の商業地や駅に近いマンション地区などの3カ月間における地価変動率を年4回公表するものです。3カ月毎の地価動向なのでさほど大きな変化はないものの、不動産鑑定士などのコメントが参考になります。

今回の地価LOOKレポートによれば、調査地点の約9割(86地区)で上昇し、全体として緩やかな上昇基調が継続しているということです。上昇の主な要因としては下記のように解説されています。             
■空室率の低下等オフィス市況は好調
■大規模な再開発事業の進捗
■訪日観光客による消費・宿泊需要
前期から上記要因を背景に、オフィス、店舗、ホテル等に対する投資が引き続き堅調に推移。

大阪圏の調査地点25地区のうち大阪市内は11地区(商業地9、住宅系は福島と天王寺の2地区)あり、市内全地区が前回に続き上昇となりました。
特に大阪市内では心斎橋、なんばの2地区が、3~6%の上昇と比較的高い上昇を示した地区となっていますが、インバウンド効果持続中ということだと思います。

大阪圏

それぞれの地区について不動産鑑定士による、地価動向と将来地価動向に関するコメントがあるので、北浜地区と福島地区(住宅地系)の分をあげておきます。

北浜地区

・梅田駅周辺の大規模な商業業務開発の影響を受けて、当地区のオフィスエリアとしての相対的な地位は 近年やや低下したものの、大阪の代表的なオフィスエリアの一つとして当地区は市場に認識されており、高スペックのオフィスは、当期も高稼働率を維持した。
また、交通等の利便性も良好なことからタ ワーマンションやホテルの素地としても需要が見込まれ、こうした多様な需要が当地区の市況を支えている。
良好な資金調達環境を背景に、こうした素地需要も健在で、売買時にはデベロッパー等の需要が 競合する可能性が高い。資適格物件の供給が不足していることもあって取引価格は上昇しており、当期も地価動向はやや上昇傾向にある。

・当地区では、テナントニーズを満たすオフィスビルであれば十分な賃貸借需要が見込め、立地条件に優れているためホテル等の素地としての需要も未だ健在である。取引利回りの低下はやや鈍化しつつあるものの、オフィスの安定的な需要の他にホテルやマンションの素地取得需要も見込まれ、大手ゼネコンでは高止まりの状況にある建築費もホテル客室単価やタワーマンションの分譲価格に転嫁しやすいことから、当面は取得需要の競合は続くことが見込まれ、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

福島地区。住宅地系です。駅直結など突出したものがない分、バランスがとれた良い住環境のように感じます。

・当地区において当期もマンション開発素地の取引は把握できなかった。しかし、開発中のうめきた地区 の西側に位置し、都心型のマンション適地であり、分譲・賃貸とも需要は依然強く、デベロッパー等の 開発素地需要も依然衰えを見せていない。また、JR福島駅周辺の飲食店が集積する地域にも徒歩圏で、 単身世帯だけでなくファミリー世帯のマンション需要を強める一因となっている。土地供給は企業の移転等によるものが多く、競合する場合も見られ取引価格は上昇傾向で推移している。賃貸マンションの需給はほぼ均衡しており、マンション賃料は横ばいである。また、エンドユーザー向けの分譲マンショ ンは、職人不足による建築費の高止まり傾向等を受けて、マンション分譲価格はやや上昇している。そ のため、取引価格の上昇傾向等を反映し、地価動向はやや上昇で推移している。

・当地区は、大阪駅を中心とする梅田地区への接近性が良好なばかりでなく、飲食店が建ち並ぶJR福島駅 周辺の商業地域にも徒歩圏であるため、単身者だけでなくファミリーのマンション需要も見込める。賃貸マンションの稼働率も高いことからファンド等の取得意欲も強く、デベロッパー等のマンション開発素地に対する需要も依然として強い。これらのことから、今後も分譲目的・投資目的での素地需要や投資需要は強い状況が続くと見込まれ、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。






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