阪神電鉄が福島の廃線跡でJR西と不動産共同開発

阪神電鉄とJR西日本がJR環状線福島駅近くでホテルと食品スーパーが入居する複合ビルを共同開発すると発表しました。両社が隣接して所有する土地を一体的に開発するもので今年8月に着工し平成31年春に開業を予定しています。

今回開発される土地のうち阪神電鉄所有分は、平成5年の阪神本線地下化に伴なって廃線となった地上線路跡で、廃線跡が大部分を占める土地の商業施設化という珍しいケースです。同じ阪神電車線路跡では既にホテル阪神や微妙にカーブするユニークな形状の福島阪神クレセントビルが出来ています。しかし、阪神とJR西2社所有地にまたがる今回計画地は、線形の土地のため駅至近の好立地にもかかわらず駐車場として利用されるにとどまっていました。

線路跡に建つ建物らしく緩やかな曲線を描く福島阪神クレセントビル。後ろはホテル阪神。

計画地の敷地面積は合計約2,584㎡(約781.6坪)でそのうち阪神電鉄分が1,785㎡、JR西日本分が799㎡と阪神分が全体の約70%を占めます。現在は2社が別々に駐車場を運営していますが、敷地境界に設けられている金網フェンスの位置をもとに、2社所有地のラフな境界予想図を作成しました。環状線側がJR西日本の所有、隣接する南側が阪神電鉄所有の線路跡部分です。

敷地が環状線に沿って東西に細長くかつ緩くカーブもしており、単独での開発は難しかったのですが、共同開発することで設計自由度が高まり一気にハードルが下がりました。一体化して利用される土地には大きな増分価値が生まれることになりましたが、これこそ遊休地活用のためのWIN-WINの提携です。

本業の鉄道事業が頭打ちになるなか、阪神やJR西も収益力強化のため不動産事業に注力しておりこの共同開発が実現したのでしょう。梅田近接でインバウンドによるホテル需要の増大、大規模マンション開発などによる周辺人口増による都市型食品スーパーへのニーズの高まりなど事業環境も良いタイミングです。なおこの共同プロジェクトは土地持分の大半を持つ阪神電鉄が主導して進められるものと思われます。

ホテルと食品スーパーの複合施設は12階建てで、ホテルゾーンは阪急阪神ホテルズ運営の宿泊特化型(1階~12階)ホテルが、1階~3階の商業ゾーンには「阪急オアシス」の入居が予定されています。ホテルは近接するホテル阪神と一体的運営を行うということなので、予約の進捗状況などに応じて宿泊客の振り分けなど柔軟なオペレーションができるのではないかと思います。
また福島駅そばのこのホテルは、うめきた2期の「北梅田駅」(仮称)にも近いことでインバウンド効果によるアップサイドも期待できるでしょう。国内人口は減少しても外国人客はまだまだ伸びる可能性が高いはずです。

建築物の南側立面図

東側(福島駅側)から見た、阪神電鉄のコインパーキング。

東側から高架下の方を見ると環状線に沿ってJR西日本の駐車場があります。こちらは月極駐車場のようです。

西側のあみだ池筋の方から見た阪神電鉄の駐車場。

あみだ池筋側から少し環状線の方を向くと高架下には飲食店群。そしてJR西日本の駐車場。後ろにホテル阪神が見えます。

新規出店の「阪急オアシス」はあみだ池筋沿いに位置します。環状線を挟んで直線距離約340~350m位の所に関西スーパー福島店がありますが少し商圏が違うように思えるので棲み分けできそうです。
大阪市内24区中3番目に人口数の少ない福島区ですが、大小のマンション建設ラッシュで人口増が続いています。福島近辺は阪急ブランドと親和性のある新住民が増えそうなのも追い風となるでしょう。


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