マンション管理会社の満足度ランキング

少し古いですが、不動産マーケティングのスタイルアクト社運営サイト「住まいサーフィン」から発表されたマンション入居者への管理満足度調査の結果は、個人的にも腑におちる内容でした。主に首都圏のマンションを対象としたものと思いますが、関西でも同じイメージです。
全体の要約で、入居者はコストよりもサービスの質を重視しているとコメントされていましたが、マンション管理に対する意識の健全さを感じます。( 「住まいサーフィン」によるマンション入居者の管理満足度調査」

特にこの満足度調査に今回から新たに加わった、管理組合「理事経験者」対象というカテゴリーでの調査結果は参考になります。やはり管理組合理事として理事会に出席することで、フロントの資質など含めマンション管理会社の本質をより的確に把握できるようになるのでしょう。
一般居住者(組合員)は、主に管理員や清掃員と接っしているので、どうしても管理員業務などに偏ったマンション管理会社観になりやすいと思います。

今回の理事経験者による管理会社満足度ランキング1位は、伊藤忠アーバンコミュニティ、2位は全体ランキング8年連続1位の野村不動産パートナーズでした。伊藤忠アーバンコミュニティは2016年管理戸数ランキングは15位(7.7万戸)で、管理戸数トップの大京アステージの5分の1にも満たない規模です。また上記ランキング3~5位を占める東京建物アメニティサポートなど3社も管理戸数は5万戸未満というレベルの会社です。

この調査結果で見ると(全体ランキングも同じような傾向です)、マンション管理会社の満足度(質)は当該管理会社の受託管理戸数の多さ(規模)とはあまり相関しないということだと思います。

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伊藤忠アーバンコミュニティは、不祥事頻発で最悪登録取消処分もあり得る状況にあった「大阪ガスコニュミニティライフ」社の全株式を数億円で昨年12月取得し子会社化しました。新社名「IUCコミュニティライフ」とし、その管理戸数約3万2千戸(昨年末時点)を合わすと伊藤忠アーバンコミュニティは、実質現在の4割増約11万戸の管理戸数(2016管理戸数ランキング13位レベル)となります。
IUCコミュニティライフには、旧ユニチカ興発などの古い大型団地の管理物件も多く難しい面もありそうですが、今のところ大きな問題はないようです。このIUCコミュニティライフと経営統合した後の伊藤忠アーバンコミュニティの管理満足度評価がどうなるのかは興味があります。

理事経験者による管理満足度2位の野村不動産パートナーズは、親会社野村不動産が、製・販・管一貫体制をコンセプトにしていることもあり、コンスタントに高評価されていますが当然だと思います。マンションデベロッパーでの社内力学は製>販>管で、部門間の壁は高く特に子会社である管理とはとりわけ円滑な意思疎通が難しいです。製販管の一気通貫スタイルはそれほど簡単に出来ることではありません。野村不動産は他の大手マンションデベロッパーと違い、消費者に近く景気や市況に敏感な住宅部門の売上が全体の6割近く占めるという会社なので、危機感の共有や部門間連携のしやすい企業風土になっているのかもしれません。

一方、ランキング3~5位の東京建物アメニティサポート、ライフポート西洋、日鉄コミュニティの3社は、それぞれ従業員数1,000名位(管理員含む)で管理戸数も多くない会社です。これ位のサイズの方が管理員含めた研修などを通じ企業理念など会社方針が徹底されやすいのでしょう。

満足度4位のライフポート西洋は、元セゾングループの不動産デベロッパー西洋環境開発(京都桂坂ニュータウンや”つかしん”などを開発)の分譲マンション管理部門として創設された管理会社です。満足度全体ランキングでも6位に急浮上していますがコストパフォーマンスの良さと業務遂行能力や「やる気」のスコアが高いようです。

結局、マンション管理会社の経営資源は「人」に尽きるので(ノウハウは人が持っている)規模の拡大が続くと人材育成が追い付かず優秀なフロントなどが希薄化するのかもしれません。理事経験者による満足度ランキングでは(他のカテゴリーでも同じ結果)、管理戸数が圧倒的に多い大京アステージや日本ハウズイング、東急コミュニティは10位以下ですので、それらの管理会社は人材育成が課題と言えそうです。

2016年の受託管理戸数ランキングです。
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受託管理戸数ランキング上位でリプレースに積極的な感じを受ける独立系2強、日本ハウズイングと合人社計画研究所は管理満足度調査では冴えない結果となっています。マンション管理において、受託管理費の安さ以上に、フロントのスキルや管理員・清掃員のホスピタリティなどトータルのサービスレベル向上が求められるフェーズにきているように思います。

(関連記事:マンション管理戸数ランキング2016
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