新築マンション市場11月近畿圏は順調、首都圏も反転の兆し?

近畿圏の新築マンション市場11月度は発売数が3ヶ月ぶりに減となったものの、初月契約率77.7%(投資用含む)と順調でした。また、首都圏の結果も発売数前年同月比24.6%増、契約率67.9%とやや明るい兆しがでてきたようにも見えます。(12/14 不動産経済研究所発表)

ただし首都圏の11月度内容は、ワンルーム・1K・1DK・1LDK・2Kなどの投資用と思われる狭小タイプの発売が354戸(前年11月は98戸)と近畿圏並みに急増しており、一次取得者層向け(3LDK)の復調傾向の確認はもう少し時間がかかるかもしれません。

首都圏と関西圏の初月契約率推移。関西分では1Kや1DKタイプの投資用を除いています。首都圏は普通に契約率80%位という時期が続いていたのですが、今は昔です。

近畿圏の価格帯別発売数と成約率推移グラフで見ると2017年は、投資用1K・1DK物件などを含む3,500万円以下の物件の発売数と契約率が共に前年をかなり上回って好調です。一般取得者向けも昨年よりは3~6ポイントほど上向いていますが、相変わらずやや低価格帯物件の強さが目立ちます。

近畿圏価格帯別発売数と成約率グラフ。

マンションデベロッパーにとって一般取得者層向け物件の供給に関し最も悩ましいのは、マンション建設費の上昇でしょう。しかし鉄筋コンクリート造では型枠工などの職人技部分が多く、マンション建設費の多くを占める労務費の下落は当分考えられません。建築工事費高止まりのなか、デベロッパーには他社と差別化する商品企画・アイデアがますます重要になりそうです。

近畿圏の2015年からの実需向け(1K・1DK除く)新築マンション初月契約率グラフ。上向き継続中です。




近畿圏2017年11月度の新築分譲マンション主要指標です。

・発売戸数   1,582戸(前年同月比19.9%減)
・契約率    77.7%(前年同月比2.3ポイントアップ)
・1戸当り価格  3,609万円(前年同月比5.1%ダウン)
・1㎡当り単価  59.6万円前年同月比4.8%ダウン)

11月と勘違いしていた、注目の大型物件「ジオ福島野田The Marks」の初月契約数などは12月度に計上されるようです。






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大阪のタワーマンション投資需要は依然旺盛?

投資や富裕層による相続税対策目的などによるタワーマンション取得需要は相変わらず活況が続いているようです。タワーマンションの高層階は市場価格と相続税評価額のかい離が大きいという、資産圧縮効果に着目した富裕層による相続税対策目的の購入が問題となり、平成30年から新築タワーマンションにかかる固定資産税が見直されることになりました。

今回のタワーマンション固定資産税見直しは、床面積が同じならタワーマンションの階数に関わらず、1階も最上階も固定資産税は同額という課税方式の見直しです。改正後は1棟全体の税額は変わらず、階ごとに差がつくようにして「高層階になるほど増税、低層階になるほど減税、中層階は据え置き」となります。

ただ今回の課税見直しでも、1階ごとの補正率は0.26%とそれほど大きくはなく、例えば1階と40階の差は10%程度でまだまだタワーマンション高層階取得による資産圧縮効果は大きく、富裕層のタワマン取得意欲が急減することはないでしょう。

まして、26年ぶりの高値水準に沸いている株式市場において海外投資家が買い、一方で国内投資家の個人は大きく売り越しキャッシュが積み上っている状況です。この流れでは消費税10%への増税予定時期となる2019年(五輪景気もピークアウトの頃?)はともかく、2018年は大阪のタワーマンション投資需要に大きな落ち込みはないと思います。

図は2018年以降に引き渡される、20階(60m)以上の新築タワーマンションの固定資産税評価額のイメージ図です。
固定資産税

タワーマンション高層階取得による資産圧縮効果イメージ図。
資産圧縮

大阪のタワーマンション投資の活況は今年の夏、日経新聞でも取り上げられていました。

開発中のタワーマンション

上記記事では、主に中津のブランズタワー梅田Northについて書かれていましたが、11月竣工のブランズタワー御堂筋本町(総戸数276戸)も不動産情報サイトなどで見る限り1LDK、2LDKタイプ中心にかなりの部分が投資需要によるもののようです。不動産情報サイト「SUUMO」ではこのマンションで賃貸募集中の物件が313件ありました(12/11)。もちろん同じ物件のダブルカウントがあるので実際はその半分以下だと思いますがかなりの多さです。また転売物件もあるようです。

こういった投資用需要の多いタワーマンションについては、出口戦略特にタイミングが大事なような気がします。






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地価LOOKレポートにみる大阪の地価動向

国土交通省からH29年7月1日~H29年10月1日(平成29年第3四半期)の地価LOOKレポートが発表されました。駅前の商業地や駅に近いマンション地区などの3カ月間における地価変動率を年4回公表するものです。3カ月毎の地価動向なのでさほど大きな変化はないものの、不動産鑑定士などのコメントが参考になります。

今回の地価LOOKレポートによれば、調査地点の約9割(86地区)で上昇し、全体として緩やかな上昇基調が継続しているということです。上昇の主な要因としては下記のように解説されています。             
■空室率の低下等オフィス市況は好調
■大規模な再開発事業の進捗
■訪日観光客による消費・宿泊需要
前期から上記要因を背景に、オフィス、店舗、ホテル等に対する投資が引き続き堅調に推移。

大阪圏の調査地点25地区のうち大阪市内は11地区(商業地9、住宅系は福島と天王寺の2地区)あり、市内全地区が前回に続き上昇となりました。
特に大阪市内では心斎橋、なんばの2地区が、3~6%の上昇と比較的高い上昇を示した地区となっていますが、インバウンド効果持続中ということだと思います。

大阪圏

それぞれの地区について不動産鑑定士による、地価動向と将来地価動向に関するコメントがあるので、北浜地区と福島地区(住宅地系)の分をあげておきます。

北浜地区

・梅田駅周辺の大規模な商業業務開発の影響を受けて、当地区のオフィスエリアとしての相対的な地位は 近年やや低下したものの、大阪の代表的なオフィスエリアの一つとして当地区は市場に認識されており、高スペックのオフィスは、当期も高稼働率を維持した。
また、交通等の利便性も良好なことからタ ワーマンションやホテルの素地としても需要が見込まれ、こうした多様な需要が当地区の市況を支えている。
良好な資金調達環境を背景に、こうした素地需要も健在で、売買時にはデベロッパー等の需要が 競合する可能性が高い。資適格物件の供給が不足していることもあって取引価格は上昇しており、当期も地価動向はやや上昇傾向にある。

・当地区では、テナントニーズを満たすオフィスビルであれば十分な賃貸借需要が見込め、立地条件に優れているためホテル等の素地としての需要も未だ健在である。取引利回りの低下はやや鈍化しつつあるものの、オフィスの安定的な需要の他にホテルやマンションの素地取得需要も見込まれ、大手ゼネコンでは高止まりの状況にある建築費もホテル客室単価やタワーマンションの分譲価格に転嫁しやすいことから、当面は取得需要の競合は続くことが見込まれ、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

福島地区。住宅地系です。駅直結など突出したものがない分、バランスがとれた良い住環境のように感じます。

・当地区において当期もマンション開発素地の取引は把握できなかった。しかし、開発中のうめきた地区 の西側に位置し、都心型のマンション適地であり、分譲・賃貸とも需要は依然強く、デベロッパー等の 開発素地需要も依然衰えを見せていない。また、JR福島駅周辺の飲食店が集積する地域にも徒歩圏で、 単身世帯だけでなくファミリー世帯のマンション需要を強める一因となっている。土地供給は企業の移転等によるものが多く、競合する場合も見られ取引価格は上昇傾向で推移している。賃貸マンションの需給はほぼ均衡しており、マンション賃料は横ばいである。また、エンドユーザー向けの分譲マンショ ンは、職人不足による建築費の高止まり傾向等を受けて、マンション分譲価格はやや上昇している。そ のため、取引価格の上昇傾向等を反映し、地価動向はやや上昇で推移している。

・当地区は、大阪駅を中心とする梅田地区への接近性が良好なばかりでなく、飲食店が建ち並ぶJR福島駅 周辺の商業地域にも徒歩圏であるため、単身者だけでなくファミリーのマンション需要も見込める。賃貸マンションの稼働率も高いことからファンド等の取得意欲も強く、デベロッパー等のマンション開発素地に対する需要も依然として強い。これらのことから、今後も分譲目的・投資目的での素地需要や投資需要は強い状況が続くと見込まれ、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。






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