ミナミの地価大幅上昇続く(2017年公示地価)

2017年公示地価で、大阪の商業地は今年も大きく上昇し全国の商業地上昇率の1~5位を大阪市が独占しました。特に2~3年前位から急上昇を始めたミナミでは、心斎橋筋や道頓堀など狭いエリアでの局地的な高騰が続いているという状況です。今年全国1の上昇率となった「づぼらや道頓堀店」の価格は2年で倍になっています。

大阪圏平成29年公示地価の要点
・商業地は4.1%上り4年連続上昇
・商業地都道府県別上昇率で2年連続大阪府が首位
・インバウンド効果のミナミが牽引した大阪市の商業地は9.0%上昇
・住宅地は横ばい

「爆買い」が減っても外国人観光客の数は増えており医薬品や化粧品、飲食などによるテナント収益性の良さが地価上昇を支えています。ミナミは狭い範囲で何でも揃うのがメリットと言われれますが、確かにキタのように立体的でなく平面で移動できるのは分かりやすいし楽です。

大阪の商業地高価格の上位5地点。クリサス心斎橋(旧Luz心斎橋)がグランフロント大阪南館に迫る勢いです。

全国1の上昇率だった「づぼらや道頓堀店」と昨年全国1の上昇率だった「ヤマハ楽器店跡」の地価推移です。東急不動産が取得した「ヤマハ楽器店跡」では今年冬の開業を目標に小型商業ビル建設中です。ドラッグストアではないかとも言われるテナントがどうなるのか注目です。


昨年政府は訪日外国人2020年に4000万人という目標を掲げました。昨年10月に2000万人を超えたばかりで凄く高いハードルのため達成するかどうかは微妙です。ただ外国人の旺盛な消費に拠るところが大きい大阪の地価にはこの政策によるバックアップは心強いでしょう。
(図の出典:SankeiBiz)

地価の動きは、公示地価(1月1日)と基準地価(7月1日)がありその共通地点で半年毎の地価定点観測をしており、グランフロント大阪南館がその定点です。グラフでは前半11.9%増が後半6.7%増と上昇幅は落ちてきています。ホテル用地需要も落着き、新築マンション市場動向など見ても昨年後半から失速気味です。

ミナミがこの勢いで上昇すればキタを逆転もという記事も見ましたが、大阪駅周辺はうめきた2期やなにわ筋線など夢のある再開発事業が控えています。うめきたに出来る新駅「北梅田駅(仮称)」にJR西日本、南海電鉄が乗り入れそして阪急電鉄も十三からの新線で相互接続する構想も浮上してきました。なにわ筋線で関空へのアクセスが改善すれば梅田はインバウンド効果で一段と進化することになるでしょう。そういったこともあり何となく2017年はキタが巻き返す年になるのではないかと思っています。

一方、大阪市の住宅地も去年と同じ0.5%の上昇でしたが、北区は紅梅町がマンション用地の取引が活発で9.9%上昇するなどで4.9%の上昇でした。南森町は古いビルなども多く、今後もマンション需要で地価は底固い動きが見込まれます。

ほぼ1年振りにミナミに行ってきましたが、とにかくドラッグストアが増えています。
相変わらず歩いている人の7割方は中国はじめ外国人観光客でしたが、たまたまでしょうが去年よりはやや少ない印象でした。

戎橋北詰のクリサス心斎橋。


グリコ背景に記念写真。

全国1の地価上昇地点となった、巨大なトラフグの提灯で有名な「づぼらや道頓堀店」。通りは大混雑でした。

ミナミの粉もんは外国人にも大人気でした。

(関連記事:ミナミの地価爆上げ(2016年公示地価)
(関連記事:大阪の商業地今年も全国一の上昇率、浪速区が急上昇


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北浜ミッドタワーと野村不動産等の高麗橋タワーマンション計画

中之島公園から建設中の北浜ミッドタワーが見えたので、久しぶりに現地付近を歩きました。北浜ミッドタワーは三井不動産レジデンシャル・京阪電鉄不動産・積和不動産関西3社が事業主の北浜駅直結43階建て超高層タワーマンションです。躯体工事は既に12階位まで進んでいて、1ヶ月に2階分位のペースで高くなっているのかなという感じの進捗状況です。

最近新聞でマンション市場に異変などとの特集を目にしますが、高騰しすぎた東京の新築マンション市場は明らかに変調をきたしています。特に富裕層がターゲットの超高層タワーマンションは、売出し物件により契約率のブレが非常に大きくなっています。常に90%近い高契約率を誇っていた頃とは様変わりと言えますが、それだけ物件(立地)の選別が厳しくなっているということでしょう。

関西の高付加価値タワーマンション市場も同じように2極化が進むはずで、購入に当たって立地の選別がより大事になってきています。この北浜ミッドタワーの販売状況がどう進んでいるのかは分かりませんが、大阪の都心回帰の流れの中で北浜のタワーマンション立地(=資産性)としての優位性は高いと思っています。

北浜交差点から。北東部は低層階も中之島公園や水辺が見えそうです。

近くで見ると。

この北浜ミッドタワーの南には、野村不動産・大林新星和不動産による高麗橋タワーマンション計画があります。敷地面積は隣地買収により2,069.1㎡(約625.9坪)に増え、高さ140m、42階建ての超高層タワーマンションが建設されます。追加買収した隣接ビルの建物解体工事は既に終わり、以前の建築計画のお知らせでの平成29年8月15日着工予定が4ヶ月早まり4月15日着工予定に変わっています。竣工予定は平成32年2月末でこちらは変わっていません。

野村不動産ら2社の高麗橋タワーマンション予定地は利便性がよく、中之島公園も近い独特のレトロな雰囲気が漂いこちらも人気物件になると思います。

南側から。それほど高い建物はなさそうで開放感はあります。

西側から。

近畿圏新築マンション市場に関して、投資用を除いた実需向け物件の動向を定点観測をしていますが、2月の動向が下のグラフです。例年1月2月は供給数が多くないのですが、注目のタワーマンションが販売開始し2月の契約率は少し高くなっています。
一方、注目の投資用物件(1K・1DK・1LDK)は供給396戸中333戸契約の契約率84%と、相変わらず好調のようです。

近くの7月オープン予定「ホテル京阪淀屋橋」は躯体がほとんど出来上がっていました。トレードピア淀屋橋のあたりから淀屋橋にかけては歩道がきれいに整備されていて、雰囲気もよく歩きやすいのです。

北浜から淀屋橋にかけて、どんどん街の姿も変わっていきます。

(関連記事:北浜駅直結マンション建設、三井不動産レジデンシャルなど
(関連記事:野村不動産などの北浜高麗橋タワーマンションは42階


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AI(人工知能)と不動産テックとソニー不動産

今、新聞などでは「AI(人口知能)」の話題が連日取り上げられ、ブームのような状況になっています。中でもファイナンス(金融)と人工知能(AI)などテクノロジー(技術)を組み合わせたフィンテック(FinTech)が特に注目を集めています。ちなみに「人工知能」は機械学習を核とする様々な情報処理技術群というようなニュアンスで用いられていると思います。

フィンテックでは、低コストで利便性の高い新しい金融サービスが次々と生み出されています。確かに、株式投資でAIがリスク・リターンを計算し、自動的に自分に合ったポートフォリオを組んでくれ、煩わしいリバランスもやってくれるサービスなら使いたいと思う人は多いでしょう。金融は基本的に数字の世界なのでITとは相性がよく、AI活用でより進化した様々なサービスが今後も生まれてくると思います。

一方、不動産分野でも不動産とIT技術を融合させた「不動産テック」が2015年位から展開されています。しかし不動産売買領域に限れば、現状の「不動産テック」はAIとビッグデータを活用した価格査定的なものが殆どで、多少の便利さはあってもビジネスとして収益化するには難しいレベルのものです。不動産売買仲介業進出を表明していた、求人ポータルサイトの東証一部リブセンス社の「IESHIL」も売上高を大きく伸ばすまでには至っていないようです(同社平成28年12月期決算説明会資料)。

不動産には、例えばマンションの同じ部屋でも使い方やメンテナンスの有無で価格差がでたりするような「個別性」(個別要因)があります。そのため、AIと大量の情報・データにより価格査定エンジンが算出する論理価格は、担当者が実査する査定価格の精度には及びません。また、価格査定エンジンがあまり有用とされないのは、一次商圏が同一小学校区内程度と狭い仲介物件においては、不動産の売買予定者はすでにある程度の相場観を持っているからです。マンション売却希望者なら、口コミなどでそのマンション内での成約価格を業者より正確に把握していたりします。

要するに売買領域における不動産テックは、ユーザーの満足(またはビジネスとして収益化を期待する)レベルにはほど遠いものだと感じます。やはり、定量的な金融=フィンテックの世界と違い、定性的な情報が多い不動産分野では、AIと情報技術(IT)をもってしてもインパクトのあるサービスの創出は簡単ではないようです。

ただし、不動産売買でも今後「AIアドバイザー」や「人工知能(AI)によるチャット型Q&Aサービス」のようなロボアドバイザー的サービスは増え、不動産投資や賃貸の領域では新しいソリューションが期待できると思います。賃貸物件を「VR」技術により内見なしで契約というようなことも起こり得るかもしれません。

さて不動産テックの代表格だった、不動産を個人で自由に売り出せる不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」は最近全く話題になりません。そもそも高額で「瑕疵」リスクもある中古不動産でネット完結型に近い個人間売買取引が、それほど行われるはずはないと考えるのが普通です。

「おうちダイレクト」は別にしてソニー不動産自体も、ソニーブランドを過信したスタートの躓きから立ち直れない状況が続いているでしょう。(有名経営コンサルタントは「リストラ時の本社ビル売却で儲かったので、ソニー不動産という会社を作ってしまった」と言われていますが)。

ソニー不動産のスタートアップに関しては、売物件重視の戦略は間違いではないものの、ほぼネット専業で不動産仲介業に進出するというビジネスモデルに敗因があったと思います。不動産仲介で一定規模の業容を目指すならネット+リアルが必須です。ソニー不動産がネットでいくら「高く売ります」を繰り返しても競合相手の大手仲介会社は、情報量の多い洗練された自社サイトに加えて「○○号室成約御礼」や「当マンションで今年5件成約しました」などというチラシを投げ込み「ネット+成約実績訴求営業」を行っています。これでは勝負になりません。

また高額商品の不動産、特に中古物件の購入は誰かに背中を押してもらわないとなかなか決断できないものです。そこで適切なクロージングをしたり重要事項の綿密な調査をするには、物件や地元情報に精通した地域密着リアル店舗のマンパワーが欠かせません。(昔、初めてのマンション購入に当たり散々迷っているとき、販売責任者の一言(殺し文句)で一気に迷いが消え契約に進めたという経験をしました)
いくらAIや情報技術が進化しても、専門知識をもち、意味を理解して創造力のある仕事をするヒトを代替することはできないでしょう。

まもなく平成29年3月期の期末ですが、首都圏新築マンション市場ははっきりと落ち込んでおり、中古マンション市場も連動してダウントレンドに向かう可能性が大きいでしょう。高めに売り出すことがセールスポイント(?)のソニー不動産には特に強い逆風になる局面です。不動産売却に当たっては、より慎重な売出価格設定が求められるでしょう。何度も言いますが中古住宅流通は鮮度が命です。


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(過去記事:ソニー不動産2期目決算も赤字幅拡大、累損8億円
(過去記事:ソニー不動産は初年度3億円の赤字


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