9月新築マンション市場は発売大幅増、契約率も74.6%(近畿圏)

近畿圏の新築マンション市場9月度は発売数が前年同月比27.9%増、初月契約率は74.5%と好調で、特に1億円以上の高額物件では供給58戸中契約54戸と驚くような販売状況でした。(10月16日不動産経済研究所発表)。

9月の数字で目につくのは億ションの好調販売以外では次の2点です。
(1)前年同月の発売数がわずか34戸だった滋賀県が、新規発売数553戸、契約率96.4%と絶好調
(2)好調だった大阪市内の投資用物件(1K+1DKタイプ)契約率は約52%と失速

新築マンション市場の規模が大きくない滋賀県は発売数のブレが大きく、セカンドハウス需要があるなどやや特異なエリアといえるでしょう。今回はjR大津駅前と琵琶湖畔のマンションが良く売れたようでが、JR大津駅前で大和ハウスが分譲した「プレミスト大津ステーションレジデンス」(総戸数197戸)の第1期販売は130戸を初月契約し即日完売(平均倍率3倍)となっています。大阪市内でも最近見ないようなスピード販売でした。仮に大量供給・高契約率滋賀県の分を除いた場合の近畿圏の契約率は67.9%まで下がってしまいます。

一方、90%近い契約率が続いていた投資用物件の契約率は急落しましたが(供給355戸、契約185戸)、金融機関の融資姿勢に変化があるにしても、今回は一過性のものだと思われます。その結果、9月は実需向け物件の契約率(71.6%)が投資用物件の契約率(52.1%)を上回るという珍しいケースとなっています。

実需向け物件の発売数と初月契約率推移。契約率は4月以降は前年をかなりオーバーするいいペースが継続しています。

ファミリー向け契約率グラフ

2015年からの実需向け新築マンション初月契約率グラフ。上向き継続中です。

2015年からの変化率

2016年と2017年の価格帯別での初月契約率(1~9月累計)。2017年は前年2016年に比べ8,000万円以上の高価格帯物件の契約率が非常に良くなっています。

価格帯別契約率

近畿圏2017年9月度の新築分譲マンション主要指標です。

・発売戸数   2,392戸(前年同月比27.9%増)
・契約率    74.5%(前年同月比6.4ポイントアップ)
・1戸当り価格  4,186万円(前年同月比0.6%アップ)
・1㎡当り単価  64.1万円前年同月比4.4%アップ)

首都圏では、用地取得が難しくなったマンションデベロッパーが、中古マンションのリフォームや大規模修繕などへの事業転換を図るところも出てきているようです。






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北浜ミッドタワーは30階部分まで躯体工事進む(10/11)

三井不動産レジデンシャル・京阪電鉄不動産・積和不動産関西3社が事業主の北浜駅直結43階建て超高層タワーマンション、「北浜ミッドタワー」の躯体工事は30階まで進んでいました。3月に見た時は12階位だったので随分高くなっています。改めて、高層階特に北側や西側からの眺望は素晴らしいものだろうと思いました。

天神橋北詰から対岸の北浜・淀屋橋方面を見ると、大阪を代表する超高層タワーマンション群が一望できます。天神橋から見た北浜ミッドタワーは躯体も大きくて安定感があり、洗練されたブラウン系のシックな雰囲気の色彩デザインですごくいい感じの外観になっていると思いました。
写真ではよくわかりませんが、シティタワー大阪が白いタイルの外壁、ザ・キタハマが黒を基調としたタイルと天然石の外壁で好対照となっています。
中央区のタワマン

上記画像の超高層タワーマンションの比較です。
中央区のタワマン

天神橋の中央部位から見たものです。かなりの部屋から中之島ビューが楽しめそうです。
天神橋中央部から

中央公会堂からです。冬のイルミネーションが綺麗に見えることでしょう。
中央公会堂側

この北浜ミッドタワーの竣工時期は平成31年1月(入居予定は3月)とまだまだ先ですが、販売面では順調に推移し完売も近いのではないかと思われます。歴史ある土地、利便性、水と緑の自然が身近にあり、眺望も素晴らしい希少立地なので当然かもしれません。すぐ近くの高麗橋2丁目で野村不動産と大林新星和不動産によるタワーマンション計画工事も進んできています。この物件も人気になるのでしょう。
都心回帰の流れのなか、新しさとレトロさがブレンドされた多面性をもつ北浜にハイグレードな超高層タワーマンションが増えれば、街としてより魅力が高まっていくように思います。

地図





北浜ミッドタワーの南側道路「内北浜通」は、オフィス街で車も少なく落ち着いた雰囲気で歩きやすいところです。この夏に開業したばかりの「ホテル京阪淀屋橋」は珍しく国内ビジネス客がターゲットということだったと思いますが、観光・レジャー客も見かけます。オープンテラスのカフェがお洒落な感じを出しています。

ホテル京阪

休日の中之島公園の芝生広場は、大賑わいになります。
芝生広場

都心部に子供が増えているように思います。経済的に恵まれている共働き世帯が都心のマンションを買っているということでしょうか。

(関連記事:北浜直結タワーマンションは43階建て





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ヨドバシ梅田タワー(仮称)に入居するのは新阪急ホテル?

「阪急阪神ホールディングス」は、ヨドバシホールディングスが建設中の複合ビルにホテル出店を検討しています。新しいビル「ヨドバシ梅田タワー(仮称)」は高さ150m、35階建てで、その9階~35階に客室数約1,000室の大型ホテルが入居する予定です。リーガロイヤルホテルの984室を上回る大阪市内最大のホテルが、2019年冬に開業することになりそうです。
具体的なホテルブランドは発表されていませんが、ヨドバシ梅田の目の前にある大阪新阪急ホテル(客室数961室)が移転してくるのだと思います。

ヨドバシ新館周辺図

「ヨドバシ梅田タワー(仮称)」完成予想図(西側から)

ヨドバシタワー立面図

新阪急ホテルは1964年の開業から50年以上経過しており、以前からヨドバシ新ビルへの移転が噂されていました。新ホテルは宿泊特化型になる方向(読売新聞)ということなので、宿泊、宴会、婚礼、料飲などフルサービスの大阪新阪急ホテルとはカテゴリーが異なります。しかし今回は直営ではなく、テナントとしてホテル運営にあたることもあり新ホテルには高い収益性が求められ、阪急のお膝元梅田のマーケットリーダーとなることも期待されているでしょう。

しかし阪急阪神ホールディングスのホテル事業の現状は、インバウンド需要を十分には取り込めてないように見えます。同社の2016年度決算説明資料ホテルセグメントの営業情報によると、関西での客室稼働率が95%近い驚異的な数字でかつ外国人宿泊比率も伸びているのに、全体の営業利益レベルでは十分とまでいきません。

決算資料

そういう状況も考えると新設ホテルは、利益率の高い宿泊主体で主としてインバウンド客をターゲットに、少し贅沢感のある、中・高単価の「客室」で稼ぐという戦略になると思います。最近、新カテゴリーとして増えているややグレードの高い宿泊特化・宿泊主体型ホテル業態というイメージです。

具体的には、普通2名以上となる旅行・レジャー客を意識してシングルルームは減らし、大半の客室をツイン仕様以上の部屋として居住性を高め、1室当り収容人員を増やすことで収益極大化を図ってくるものと思われます。
欧米系はもちろん、目に見えて洗練度が高まっている東南アジア系訪日客に、客室単価が少し高めでもゆとりある室内と少し上質なホスピタリティも提供できるホテルのニーズは強いはずです。
人材リソース豊富で、きめ細かいニーズに対応できる新阪急ホテルが、インバウンド宿泊需要によりフォーカスした形で新ビルに移転するのだと予想します。

なお、仮に新阪急ホテルが移転するならその跡地は当然、阪急阪神ホールディングスが保有資産バリューアップのため再開発計画を具体化させることになるでしょう。

(参考)2016年8月の日本政策投資銀行のレポートにあった、関西4都市(京都市・大阪市・神戸市・奈良市)のホテルで不足していると考えられるセグメント。

ヨドバシホールディングスとヨドバシカメラの複合新ビル計画「ヨドバシ梅田タワー計画整備事業」は、9月に国土交通省から「民間都市再生事業計画」に認定され、金融や税制の支援を受けられるようになりました。認定にあたって「関西国際空港等からのアクセスバス発着所設置」も評価されているので、現在新阪急ホテル前にある空港リムジンバス発着所も新ビルに移動してくるものと思われます。

空港リムジンバス乗り場。
リムジンバス乗り場

8月に着工したヨドバシ梅田タワー(仮称)は、本格的に工事が始まっています。

工ヨドバシ工事現場

すぐ西側には広大な「うめきた2期」エリアが控えている「ヨドバシ梅田タワー(仮称)」の現地を見るたびに、この立地はやはり最強だという感じがします。ヨドバシカメラは、持ち株会社「ヨドバシホールディングス」傘下の事業会社になっているようですが、不動産業で十分やっていけそうに思います。

うめきた2期方面

ヨドバシ梅田タワー(仮称)建設地の北、グランフロント大阪北館にはラグジュアリーホテル、インターコンチネンタルホテル大阪が入居しています。その道路を挟んだ向い側では、JR西日本グループの新ブランドホテルが出店を予定するビルの建設が進んでいます。ホテルはハイクラス宿泊特化型「ホテルヴィスキオ大阪 by GRANVIA」(客室数400室)で来年6月開業予定です。ここも立地は良いと思います。
おそらく阪急阪神ホールディングスの新設ホテルも、ツインやダブルタイプの部屋が全体の80%以上という「ヴィスキオ」と同じようなコンセプトで設計されているでしょう。

「ホテルヴィスキオ大阪 by GRANVIA」入居ビルの状況。
ヴィスキオ現場

梅田地区のホテルも、訪日外国人をめぐる競争が激しさを増しています。しかも大手事業者による新設ホテルは、ほぼすべてがハイグレード宿泊特化型になっています。それでも「阪急ブランド」、ヨドバシ梅田タワー(仮称)の立地、阪急阪神第一ホテルグループのノウハウやスキルなどを考えると、阪急阪神ホールディングス新設ホテルの優位性は大きいと思います。





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