マンション市場実需は12月も低迷、年間発売数2割減(近畿)

近畿圏マンション市場12月度と2019年(年間のまとめ)が発表されました(不動産経済研究所)。

秋以降急速に悪化した、実需ファミリー向け(発表データから1K~1LDK除き算出)物件の2019年発売総戸数は11,954戸におわり、前年比17.1%の減となりました。発売月累計契約戸数も8,110戸でこちらも前年比18.8%減と大幅な販売悪化となっています。

問題は夏までは順調だった実需向けの市場が消費増税と価格高止まりもあって9月以降急変し、後半大失速状態になっていることです。1月以降の最需要期を狙って昨年を超える供給数になった12月度も、反転攻勢の勢いを出すまでにはいたりませんでした。

実需向け

◆4,500万円超の物件は、過去に例のないほどの販売不振(近畿圏)

2019年12月度の価格帯別発売数と発売月契約率の前年同月比グラフ。9月以来の市場環境急変の悪い流れが継続し、4,500万円超の物件が軒並み40~50%ほどの低契約率(今までみたことない数字!)に落ち込み不振が際立っています。

価格帯別

新築マンションは、発売初月が極めて重要(その後の売れ行きがほぼ決まる)ですが、近畿は8月以降発売月契約戸数の落ち込みが顕著。

契約戸数

販売低調でも、事業主は財務に不安のない大手デベロッパーが殆どなので市場が混乱することはないとの楽観論が多いですが、水面下では値引き販売が常態化している予感がします。期末在庫を大量に抱えても意に介さない企業は少ないでしょう。




例年最も発売量が増える12月で首都圏も近畿圏も少し形勢挽回の動きとなっていますが、2020年の浮上へつながるものかどうかはまだわかりません。

首都圏近畿圏

◆近畿圏2019年12月度の指標

不動産経済研究所発表のデータです。この数値にはワンルームなど投資用物件が含まれるため初月契約率、1戸当り価格や1㎡当り単価はあまり参考にならないでしょう。

・発売戸数   3,230戸(前年同月比17%増)
・契約率    71.0%(前年同月比1.1ポイントダウン)
・1戸当り価格  4,251万円(前年同月比2.1%アップ)
・1㎡当り単価  70.8万円(前年同月比8.1%アップ)

昨日建築関係の方が、鉄骨は高くなっているのでコスト的に木材で家を建てるのがベスト、と話されていましたが新築マンション需要がミニ戸建て分譲にシフトする動きが出るようになるかもしれません。






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賃貸仲介の手数料返還訴訟で東急リバブル敗訴確定

賃貸の仲介業者東急リバブル(以下リバブル)に対し賃貸住宅の借主が、支払った仲介手数料の一部返還を求めた訴訟の上告審は、上告棄却となりリバブルの敗訴が確定しました(東京高裁)。

今回の訴訟は、賃貸仲介業者が仲介手数料として賃料1ヶ月分を受け取るために必要な借主からの(正当な)承諾があったかどうかが争われたものです。

業者側が借主から賃料1ヶ月分の手数料を受け取るには、「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方について」において、借主の承諾を「媒介の依頼を受けるに当たって得ておくことが必要」」と記されています。

「媒介の依頼」の成立が何時なのかは、借主への契約締結日の連絡があった時点で(黙示の媒介契約として)成立すると東京地裁は認定しました(売買契約などで同様の判例があり、極めて妥当な認定です)。

リバブルの賃貸借契約当日(入居申込書)における承諾取得は、媒介の依頼後のものとして「承諾と言えない」とされた訳です。

事実経過の再確認(賃貸で媒介は馴染みがないので、媒介=仲介としています)

国土交通省の告示(ガイドライン)にかかわらず一ヶ月分手数料の承諾(書)を、実務に都合の良い賃貸借契約の当日に形式的に取得するという、業界の悪しき慣習(?)にレッドカードがだされた格好と言えるでしょう。

業者側でもグレーなやり方との認識はあったはずですが、少額な賃貸仲介手数料に関し、(コストに見合わない)訴訟を仕掛けてくる借主はいないだろうという油断があった分、今回の件は業界全体にインパクトがあると思います。

ただし実際の影響は少なく、承諾(申込)書を早い段階で取るようになるということだと思います(それはそれで借主にとっては良いことです)。




今回確定した判決のポイントを繰り返すと
(1)業者が賃貸仲介で「借主から1ヶ月分の手数料を領収するについては、媒介の依頼成立までに承諾(書)を得る必要がある」。

(2)媒介=仲介の依頼は、物件を内見して入居申込書に記入し、契約日を設定する段階で(黙示の媒介契約として)成立する
という点です。

売買と違い賃貸実務で借主との「媒介」(仲介と同義)は、意識されることはないのですが(媒介契約を義務付けされていないので)仲介手数料受領の根拠となる大事なものです。

賃貸借契約と同時(同日)に取得する従来のやり方での「承諾」は、訴訟になったら認められないので、今後は早めに入居申込書(兼仲介手数料支払書)を取得する動きになると思います。

賃貸契約では、種々トラブルはあっても訴訟に至ることは比較的少ないです。今回のように2012年頃からの古いエビデンスを揃え、宅建業法・告示を精査して、勝訴を読み切った(ように見える)うえで提訴した原告側は凄いと感心します。普通の人ではとても出来ないはずです。

一方リバブルは上告までしましたが、大手の会社が敗訴するとレビュテーションリスクが大きいと思います(不動産繁忙期に向けて、せっかくTV新CMを流しているのに)。

ただ、新聞などでは一斉に「賃貸仲介の手数料は0.5ヶ月分」と書かれていますが、借主の承諾があれば1月分で問題はないので少し違和感もあります。やはり「原則」0.5ヶ月分という言い方が正しいと思います。

それにしても借主も手数料が単に0.5ヶ月か1ヶ月かだけで業者や物件を判断するのは危険です。必ずトータルのコストをチェックすることがベターでしょう。

(過去記事:東急リバブルに賃貸仲介の手数料一部返還を命ずる判決
(過去記事:東急リバブルに仲介手数料一部返還請求訴訟の論点






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「十日えびす」の西宮神社へ

アメリカVSイランの激しい対立で、すわ戦争?と驚かされた年始でしたが何とか落ち着き、為替も円安に戻っているようです。昨日は毎年恒例「十日えびす」の総本山西宮神社に行ってきました。

夕方からは激込みになるので午前中にいきましたが、暖かく穏やかな天気で夙川散策も楽しめた1日でした。

「十日えびす」の間、神社境内は一方通行となります(図は西宮神社ホームページより)。

西宮神社の境内へは、正門=表大門(赤門)から入ります。ここは「十日えびす」恒例行事で参拝一番乗りを競う「開門神事福男選び」のスタート地点です(本殿までの約230メートル)。
写真のようにこれだけ狭い場所なので、一番福になれるのは何日か前から場所取りをした、最前列に位置できた人しか可能性はないと言われます(今回は5,000人が並んだとか?)。

境内に入ってまずは、古い福笹を返納します。有名な「招福大マグロ」にはマグロに賽銭を張り付けるために、長い待ち行列が出来ていました。

3年前までは大阪の今宮戎神社に行っていたので、十日えびすといえば「商売繁盛で笹持って来い!」という大きなお囃子や大勢の福娘で賑わっているものとの思い込みがありました。
しかしえびすさんの総本山であるこの西宮神社はそういった掛け声はなく、いたって静かな雰囲気のなか新しい福笹を購入します。大阪と阪神間の違いでしょうか、今宮戎のような喧騒とは無縁のなんとも落ち着いた雰囲気です。

正月気分も薄れたところで、これから少し断捨離を進めねばと思いながら帰ってきました。






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