近畿新設住宅着工、大阪府の分譲マンション大幅増

2020年2月の新設住宅着工戸数は、8ヵ月連続のマイナスとなる前年同月比12・3%減の6万3105戸で、季節調整値(年率換算)では87.1 万戸となっています(国土交通省発表)。
3月以降は、新型コロナウィルス感染拡大による消費マインドや雇用・所得環境の悪化などで更に大きな着工数の減少となるでしょう。想定外の住宅設備や部材の調達遅れなども住宅着工にはマイナスです。

利用関係別では、分譲マンションが2.4%増の9353戸と4ヵ月ぶりの増加した以外は減少です。
持ち家と貸家がそれぞれ前年同月比2ケタの減と落ち込んでいます。

◆近畿は、大阪府で分譲マンション着工が大幅増

近畿圏も着工戸数は前年同月比 2.9%減となりました。一方、分譲マンションは大幅増でしたが、これは大阪府で40%超の大きな伸びがあったからです。

 ・持家:前年同月比10.0%減
 ・貸家:前年同月比18.6%減
 ・分譲住宅
   ・一戸建住宅:前年同月比3.3%減
   ・分譲マンション:前年同月比38.8%の増

2月大幅増だった大阪府の分譲マンション着工件数の推移。消費増税前後の落ち込みからやや回復の兆しですが、新型コロナウィルスの影響が出る3月以降はまたかなりの減少に向かいそうです。

◆新型コロナウィルス感染拡大の影響

とうとう大阪・兵庫に非常事態宣言が出されました。より一層の外出自粛となり、不動産業界も大きな打撃を受けるでしょう。

新設住宅着工に関しては、住宅展示場やモデルルームにも行きづらく、終息が見えないなか、将来不安が解消されない限り住宅の建設や購入マインドは冷え切ってしまいそうです。当然リーマンショック時と同様不動産価格は下落するでしょう。

今回のコロナ騒動で、仕事や学校はテレワークやオンライン授業などインターネット空間での比重が高まります。都心への時間距離絶対の不動産価値観も少し変化すると思われます。






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新型コロナショックと不動産パラダイムシフト

世界経済がリーマンショックを超えるダメージをうけそうな、新型コロナウィルスの終息が見えません。夏か秋までには落ち着くという楽観的な見通しは後退し、1年~1年半の長期戦になるのではないかという状況です。

そういったなか、インバウンド需要に支えられていた大阪の経済はホテル、飲食、小売り関係中心に壊滅的な打撃を受けています。混乱が長期化すれば危機的な状況になることは間違いありません。

今回のコロナショックでは、リーマン時(製造業が影響大)と違いサービス業中心にダメージを受けています。サービス業は中小、零細が多く非正規社員が多いので、資金ショートによる倒産や大規模な解雇も増えるはずです。

コロナ後の関西は、各業界とも働き方などビジネススタイルが大きく変わり、旧態依然としていた不動産業界にも変革の大波が押し寄せることになるでしょう。

新築や中古市場は高額物件の需要は激減し、全体の取引量は落ち込み当然不動産価格も下落するので、業界の再編は不可避だと思います。

集中から分散、不動産もパラダイムシフト

このコロナショックを奇禍としておこるパラダイムシフトのキーワードは「集中から分散へ」です。それはまず、各業界でネット対応の加速ということから始まるのだろうと思います(例えば学習塾・予備校業界ではネット対応=遠隔授業できないと生き残れないという風に)。

好況が長く続いた不動産業界も一転冬の時代に入り、同時に業務や価値観に大きな変化や修正をせまられることになりそうです。

業務:アナログなスタイルからデジタル主体に
価値観:時間軸(駅近)志向から環境志向に

新型コロナは何時かは終息するのですが、終息後もテレワークや時差出勤など働き方改革の定着は確実で、在宅勤務増加により郊外の不動産が住環境の良さと価格面の手ごろさで再び見直されることになると思われます。

具体的には職住近接という都心回帰が弱まり、環境の良い郊外立地物件へのニーズの強まりです。もともと関西は、仕事場と住居は離れたところが理想(大阪で働き阪神間に住む)とされていた歴史もあるので原点回帰かもしれません。

またテレワークには、会社のネットワークに入るための通信回線が問題になるのですが、そういった環境(安定した通信速度)が整備された郊外物件への人気が高まりそうです。

また不動産投資についても、新型コロナショックによる影響を少なからず受けるはずですが、注意すべきは今回は投資用レジデンス物件にも影響が大きいだろうということです。

不況時に法人がコストカットのため真っ先に解約する高級賃貸物件は別にして、若年単身者向けワンルームはサービス業に従事する入居者(梅田周辺の賃貸マンションでは結構な割合のはず)の雇用が厳しくなるため打撃をうけそうです。また、水道光熱費込みで住居を提供しなければ人集めができない企業が、ワンルームを法人契約することも多いので、法人契約ということだけで安心できないのが実態です。

失業しても他の支出は削ってでもワンルームに留まるという声もありますが、少なくとも家賃滞納問題とかは増えるでしょう。
そういったことで、今個人がどうしても投資用区分マンションに投資をしたいのなら、少なくともレバレッジをかけない堅実なやりかたで臨むのがベターだと思います。

くれぐれも投資は自己責任で。






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大阪の公示地価、ミナミの上昇は昨年後半から陰り

新型コロナウィルス騒動のさなか、令和2年公示地価が発表されました(3月18日)。公示価格は遅行指標なので、大阪の地価に大きな打撃となるコロナショックの影響が出るのは半年後の基準地価調査からです。特にミナミの地価上昇エンジンだった、心斎橋の高収益商業施設などで売上げ激減しており、ミナミの地価反落が現実味を帯びてくると思われます。

今回、近畿で価格・伸び率共に最も高かったのは、大阪ミナミ・戎橋北詰の「住友商事心斎橋ビル」で、全国3位44.9%の上昇率を記録し、3年連続大阪最高価格地点となりました。1平方メートルあたりの価格は2,870万円です。

このビルはアパレルのH&Mをキーテナントとする「クリサス心斎橋」というビルでしたが、住友商事が昨年4月208億円(敷地面積502㎡、㎡単価約4,140万円!)で取得後、名称変更されたものです。

住友商事心斎橋ビルに名称変更後はキーテナントも入れ替わり、昨年12月から「サンドラッグ」が入居しています。サンドラッグは大阪高価格地点第3位心斎橋筋のコンパクト型商業ビルの一棟テナントでもあります。
心斎橋筋の路面店舗は、賃料負担能力がずば抜けて高いドラッグストア位しか入居が出来ないほど賃料が高騰しているようです。

また、このビルは公示価格と基準地価の共通地点なので、半年ごとの地価変動を見ることができますが年間44.9%の上昇でも、昨年後半は明らかに上昇率が鈍っています。

半期ごと価格

大阪商業地の高価格地点トップ5地点(白がキタ、色つきがミナミ)
トップ5地区

価格第3位の上記心斎橋筋2-8-5地点は、東急不動産が平成27年12月に坪5,000万円(敷地面積436㎡:㎡/約1,515万円)で取得したと言われていたヤマハ心斎橋店跡地です。東急不動産はこの用地をコンパクト型商業ビルとして開発しました。

今回の公示地価はグランフロント大阪南館などキタの商業地が。梅田エリアの再開発期待などで全般に高い上昇率となっています。

一方インバウンド主体のミナミは、日韓関係の悪化などで昨年秋以降その勢いに陰りがみえ始めており、ホテル稼働率もかなり落ち込んで供給過剰が囁かれはじめているなか、今回の公示地価での上昇率鈍化は(住友商事心斎橋ビルは別にして)当然だと思います。

問題はコロナウィルスに直撃された夏の基準地価です。ミナミの地価はインバウンド需要の爆買いによる商業施設の高収益性によるものだったので、この新型コロナによる打撃はとんでもなく大きいでしょう。高収益の代表格、ドラッグストア(マスク特需はあるものの)やカプセルホテルの動向に注意が必要な気がします。

◆コロナで壊滅的なインバウンド需要は戻るのか

JNTO(日本政府観光局)の発表では、
「2020年2月の訪日外客数は、前年同月比58.3%減の108.5万人となり、なかでも訪日中国人観光客は前年同月比87.9%減」ということです。

3月はもっと悲惨な数字になるなずで、インバウンド特に中国人観光客需要を謳歌した大阪が今、壊滅的な打撃をうけそうな気配になっています。需要増を見込んでどんどん建設中でもある、ホテルの稼働率はとんでもないものにならざるを得ません。

この新型コロナウィルスもいずれ終息はする訳ですが、インバウンドの需要はどのくらいの期間が過ぎればもとにもどるのでしょうか。

国内観光などは戻りが早いはずですが東京五輪も延期っぽく、世界恐慌のような状態の海外旅行客の戻りはやはり相当時間がかかると思われます。少なくともリーマンショック時のように1年程度は我慢の季節となることを覚悟しないといけないかもしれません。

なお住宅地も大阪市西区など急上昇していますが、マンション又はホテル用地としての需要によるものと思われます。

(関連記事:大阪最高地価地点のクリサス心斎橋を住友商事が取得






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